ミヤコさん
今日は、ついに緊急事態宣言が発令されました。東京をはじめ七府県が対象でした。京都府は対象ではなかったのですが、都市部から遠いこんなところに住んでいても、なんとなく他人ごとではない大変な状況であることを増々感じます。
政府の緊急事態宣言後に、東京に住む何人もの友人が恐怖を感じるとLINEで伝えてきました。テレビや新聞などとはけた違いに、友人の言葉にリアリティを感じます。まるで戦時下のようです。(経験ありませんが。)そして、あらためて新型コロナウイルスの脅威や自身の身の危険を実感します。
と同時に、特に京都に住むミヤコさんをはじめとする友人や知人のことも気がかりになってきました。
京都も学生に端を発した感染連鎖が拡大してますね。学生の街と言われるだけに、集団化する彼らの行動がとても気になります。
観光客が姿を消し、さらに学生までが姿を消すと、ほんと京都が京都でなくなります。
本来なら、、新学期のスタートで、各大学のキャンパスは新入生の歓迎と勧誘で、なんとも初々しいエネルギーで活気にあふれる4月です。また市内の神社仏閣や観光名所は、満開の桜の下多くの観光客で賑わい、夜桜見物しながらの新歓コンパや宴会で大いに盛り上がっている4月です。またこの2つの光景が、日本のどこにもない4月の京都の光景でしたから。
いやー、光景が一変していることでしょう。想像するだけでも信じられないですから、その光景を目の当たりにするミヤコさんの心境が窺い知れます。
緊急事態宣言によって、この4月、日本は完全に経済をはじめあらゆる活動がストップすることになります。書簡のやり取りでミヤコさんから届く京都の季節の訪れを羨ましく、そして楽しく拝見させて頂いていましたが、当分は同じ環境下で、不安な日々の励まし合いになりますね。
どうぞ、ミヤコさん健康にはご注意ください。
せめて写真だけでも、この日曜日のなんとも与謝野らしい4月の光景を送ります。
こんな便りができるようになることを祈願して。
ヨサヲさま
週明けの驚きは何と言っても志村けんさん!つい先日テレビで見たのに、ウソでしょう?命って、こんなにあっけないものなのでしょうか。
ビル・ゲイツの「予言」はネットでも評判になっていますね。現在を冷徹にみつめ、先を見通せて「警告」できる、数少ない賢人のひとりだと感服します。
ゲイツの言う「教訓からの準備」もできぬまま世界各地で感染爆発に陥ったいま、情報も流動的で、一体誰の見解に従えばいいのか迷います。
私が信頼しているのは、京都大の山中伸弥教授の発信です。感染症が専門ではないけれど、一医師として、最新情報を整理・分析し、HP上で公開されています。コロナに絞ったYOSHIKIさんとのネット対談もあり、若者に向けた発言にも説得力がありました。「未知のウイルス対策にエビデンスが伴わないのは仕方がない。やり過ぎなら修正すればいい」と批判を浴びる国や自治体の対応をかばいつつ、最近よく使われる「打ち勝つ」というフレーズには違和感を示されていました。「人類が撲滅できたのは天然痘だけ。ウィルス対策はマラソンであり、ある意味、共存しかない」といった内容だったと思います。(余談ですが、STAP細胞騒動の当時、冷静なコメントをされていたのは、ほぼ山中さんだけでした。STAPがiPSの「ライバル」だったこともありますが、他の研究者が手放し絶賛する中で異色でした。)
さて、きょうから4月。コロナ禍のなか花の季節は到来し、京都市内はいずこも満開です。
この季節、宴会ばかりではなく、大切な人たちと桜の下を歩く時間は、心に残る思い出になるはず。春になると必ず咲いてくれる桜は、時の流れを測るモノサシのよう。「もう1年経ったのか」「あの頃、あの人と桜を見たなあ」「あと何回、見られるのかな」‥。いろんな思いが去来します。
京都市内もライトアップやイベントが軒並み中止になりました。花見の自粛を呼び掛ける合言葉は「桜は来年も咲く」。だけどなあ、誰もが次の桜を楽しめるわけではない。多くの人にとっての貴重な花の季節を奪ったウイルスがやはり憎らしくもあります。
写真は繁華街を流れる高瀬川の桜。左手うしろに写るのは建設中のホテルです。1895年、日本初の映画上映の地・立誠小学校跡地に、賛否両論のなか、オリンピック・イヤーに誘致されたのですが、さて‥。
ヨサヲさんの五輪チケットは、一応、無駄にならないみたいですね。目論見とおり来年開催なのか、さらに来年もバタバタするのか。いずれにせよ長期戦です。チケット紛失しないように!