与謝野町観光協会 与謝野日々是

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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
情報の渦の中、拡散と閉鎖 令和2年3月11日

ミヤコ様

 三月書房のニュース、タイムリーにも3月6日の京都新聞梵語にも取り上げられていましたね。井上さんと同じ感度を持って利用されていた方が世の中には多くいらっしゃったんだと。あらためて、残念です。
 テクノロジーの進化、ライフスタイルの変化、そして少子化人口減少によって、閉店を余儀なくされる現象は、書店に限らず日本中で同時多発的に起こっていますね。今後はさらに加速することでしょう、そのたびに、残念、悲しい思いが募り、そもそも自身が閉店にならないように生きなければと思うことになりますね。

 そして、今まさに日本中を閉館、閉店、閉鎖に追いやる新型コロナウイルスの猛威。毎日実態のよくわからないコロナ情報ばかりで、少々情報疲れになってきた、その矢先、京都府北部にも感染者がでました。 実はこの場所から、東京や横浜大阪で発生する感染者情報は、どこか対岸の火事のような都市部の騒ぎにとらえてたように思います。 だから、このニュースが入った時、みんなびっくりし、過敏に反応しはじめました。このニュースを皮切りにどんどん情報が拡散しまくっています。

 天の橋立や伊根は観光客の激減で壊滅的になっているとの噂。
 「麒麟がくる」で盛り上がり始めた福知山も、人が来なくなった、さらに追い打ちをかける感染者の出現で市民さえ外出しなくなったという噂。
 伝言ゲームで拡散される情報は、知らぬ間に真実が覆い隠され、雪だるま式に大きくなって、正しい情報が把握できない。特にこういう地域では。

 地方新聞の存在についてを友人と会話した時、そもそも平時では読まれもしない新聞が、非常時の時、地域にとっては無くてはならない正確な(正確であろう)情報源となるのだと。だから、地方紙が無くなることにはならないのだと。一民間企業の情報でなく、公的な側面さえあるんだと。んん、確かに。全国紙もネットも、この地域のことをわざわざ事細かく情報を伝えはしないですね。

 京都新聞3月6日日曜日の京都新聞朝刊トップ。
 びっくりしましたが、正確な情報と受けとり、写真を撮って知人にシェアしました。
地方紙の存在、大事です。

ヨサヲ
「地域の宝」を支えるのは誰? 令和2年3月11日

ヨサヲさま

 加悦SL広場!昨年末に飛び込んで来たニュースに驚きました。確か、京都市内からC型の車両が里帰りしたところですよね?鉄道好きの友人と一緒に訪ねたことがあります。威風堂々の蒸気機関車もいいけれど、私は重要文化財の123号が好きです。「陸蒸気」という言葉が似合い、正面の表情も少年のようでかわいい。ヨーロッパの香りを感じます。ぐっと時代は近づきますが、オレンジ色のディーゼルも与謝野の方には、懐かしい友だちのような存在でしょう。
  京都鉄道博物館などに寄贈する道を探られるのでしょうが、一度手放すと二度と帰ってこない。せめて数台をふるさとに留め置かれるために、全国の鉄道ファンにクラウドファンディングを募ってみては? ヨサヲさんのおっしゃる通り、地元だけが維持・負担を担うのは限界があります。でも、「やはり野に置け」と現場保存を願う愛好家は少なからずいるはず。このあたりに訴えられないものでしょうか‥。

 こちらでも、ジュンク堂閉店をお伝えした直後、追い打ちをかけるニュースが。それは寺町通りにある「三月書房」(1950年創業)の閉店です。
 ヨサヲさんは訪ねたことありますか?京都で最も「大学のまち・京都の匂い」を漂わせた書店です。古書店が多い寺町通にあるのですが、古書店ではありません。しかし、古書店並みに入りにくいかもしれません。奥に店主が座る売場に並ぶのは、本好きにはたまらないセレクション。大学時代に初めて訪れた時「大人になった」と実感しました。
 いま、大きな書店にいっても、置いている本ってどこも同じですよね。ベストセラーや出版年の浅い本ばかり。ヘイト本も平積みになっているし。「書店が品定めしている」というより、「取次が送ってくる『売れ筋』を置いているだけ」なのでしょう。だから売場が広くても、全然ときめかない。 「三月書房」に行くと胸がドキドキします。ときめき、というより、「まだまだ手をつけていない世界がある!」と焦るのです。
  店主は、閉店と聞けば惜しんで詰めかける「都合のいい移り気な人々」にウンザリで、「閉めるといって開いてるやん」と客足が遠のいた頃に「週7休にする」とのこと。このあたりの、ちょっと偏屈ぶりも京都人らしくて好きです。だから、惜しいけれど、幕引きを支持します。

 さて、コロナ禍で全国一斉に自粛の嵐ですね。そして、マスクと消毒剤に続いて、トイレットペーパーも店頭から消えました。デマを信じる人に加え、信じない人もデマで商品が消えると予測して買いだめするので、余計にモノがなくなるらしい。人の心理はやっかいですね。
 写真は、桜の芽もふっくらとしてきた美しい春の哲学の道(左京区)です。いつもは人であふれていますが、こんな状況でした。久しぶりの人の少ない京都。陽気を胸いっぱいに吸い込みました。こどもたちも春の太陽を浴びてほしいな。そのほうが、免疫力が高まる気がするのですが‥。

ミヤコ
与謝野町観光協会 会員企業
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