与謝野町観光協会 与謝野日々是

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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
お仕着せの京都は嫌だ! 令和2年7月8日

ヨサヲさま

 与謝野のホップ、世界最速なんですか!「ボジョレーヌーボー、世界に先駆けて日本で解禁」はよく聞く話ですが、与謝野のホップ、カッコいいですね。
 それに、対価なんてまったく不要ですよ。都市部からのホップレンジャーたちは、与謝野のホップ畑にいるだけでたくさんの「贈り物」を受け取っています。畑で労働をして汗を流す経験すら、都会住まいでは滅多に味わえません。加えて、乾杯のカタルシスを夢見ての収穫作業です。素晴らしい!
 私も最近は毎週、近郊の畑に行くのが一番の楽しみです。素人畑ながら、ナスや万願寺とうがらしが豊作です。先週は大きな葉っぱの陰に、こぶし大ほどのかぼちゃやスイカも実も見えて、喜び爆発でした。一方で、虫害でトウモロコシが全滅したり、トマトが鳥についばまれたり。自然の厳しさにも触れています。でも、この経験も次への糧。半泣きで試行錯誤していると教えてくれる人もいて、思いがけない出会いもあります。
そして、ほどよい疲れのなか、ささやかな実りが並ぶ食卓は最高のぜいたく。さらに、日々の食事でも実感をもって農家の人々に感謝する機会になります。都会のホップレンジャーへの与謝野町の恵みも同様です。

それに、ますます勢いづく与謝野ホップの試みは、そもそも与謝野の豊かな大地の力があるからこそ。ヨソの誰かが頭だけで考えた「お仕着せの新名物」ではありません。
 こんなことを言うのは、前回レポートした新映画館が入る京都の新名所「新風館」に出かけて、つくづく、虚しさを感じたからです。

 旧電電公社の近代建築をファサードに生かした施設は新国立競技場で知られる隈研吾さんの「監修」だそうです。地下の映画館をはじめ、1階は物販、2階以上がアジア初進出のエースホテル。コンセプトは「East meets West」らしい。施設の内装は木の柱に、黒基調でゴージャス。中庭には売れっ子アーティストの名和晃平氏の高価そうなオブジェ、金と朱色の幕を張ったある店舗の天井には極彩色の鳳凰…と、さらにゴージャス。おしゃれ度のえらい高い呉服屋、専門店が並んでいます。人も結構いて、にぎわっていました。
 でも、私は「またこれか」と、ため息でした。
これが外から見た、外の人が期待する「京都らしさ」なんだろうな、と。「幻想のおしゃれ京都」「審美眼ある文化都市」。そんな「京都」ばかりのまちに、私はもう、飽きました。

等身大の京都って、もっと庶民的。そして、ある意味土くさい。伝統と現代が混在して、いろんな文化が洗練されぬまま、カオス状態で行ったり来たりしている。その混迷にこそ、生きている実感、息吹を感じるのです。
 観光客増をよいことに、ここ数年、まちに出現した店はおしなべて、きれいなのに、息苦しい。
ずっと住んでいる人たちがいるのに、誰かの京都像を安易に受け入れる私のふるさと・京都はどこに行くのでしょうか。

ミヤコ
世界一早い!?、ホップ収穫 令和2年7月8日

ミヤコさん

 

 「アップリンク京都」のオープンは個人的にも喜ばしい出来事です。場所もミヤコさんのおっしゃる通り超便利なしかも新風館の地下。

 心配は立地場所がサブカルどころかメジャー感がありすぎかな。この立地が裏目に出なければいいのだけど。アップリンク好きにとってこの場所が好みか?ですね。

(東京渋谷のアップリンクは、中心の渋谷駅からは少々遠く、通好みのサブカルオタクが徘徊しているようなエリアにあります。この立地がアップリンクのらしさを強調してます。)

 

 さて、早いもので7月です。あっという間の半年でしたね。コロナ騒動に追われた半年でした。(と言ってまだ終わったわけでない。)

 6月の後半あたりから、漸く町に賑わい(人出)を感じるようになりました。このエリアでさえそう感じるのですから、ましてや京都なんぞはさぞ賑わっているのだと思います。

 さらに7月からは海の京都エリアも観光促進として様々な施策がスタートします。

 

 与謝野町は、去年大好評だったホップ収穫が始まりました。実は与謝野町のホップは世界で一番収穫が早く、うだる暑さの中で獲れたてのホップで作られた最高のクラフトビールが飲めるのです。

 今年から「ホップレンジャー」としてホップ生産者の皆さんと一緒に汗をかいて、ゼロからホップを育てる皆さんの募集を開始しました。コロナ禍の中、6月の募集よりすでに70人ほどの登録があります。

 しかも京阪神をはじめ関東など遠方からのホップファンの方などで半分以上を占めます。ほんとうにありがたいです。

 

 「ホップレンジャー」の特徴は、ホップ生産者やその関連の人たちが、「おもてなし」を一切せず、したがって「お客様」という認識でなく「仲間」として迎え入れている点。しかも労働の対価も発生しません。

 そこはお客様側も理解して頂いており、まさに「働く」ために来町されています。一緒に汗をかき、労働の後の格別の一杯をみんなと一緒に味わう、そんなプライスレスな体験です。

 実際にホップレンジャーとして来町された方の労働を通しての体験満足度はすこぶる高く、正直、関係者一同驚いています。

 

 コロナによって、いままで当たり前だったことが通用しなかったり、初めてのことがすんなり受け入れられたり、生活様式だけでなく価値観も大きく変化しそうですね。

 観光の在り方も大きく変化することでしょう。少なくともこの「ホップレンジャー」企画に携わり非常に強く感じる今日この頃です。

 

ヨサヲ
与謝野町観光協会 会員企業
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