与謝野町観光協会 与謝野日々是

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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
離れて心にしみる、ふるさとよ。 令和2年5月26日

ヨサヲさま

 京都の緊急事態宣言が解除され、食料品売場だけでしのいでいたショッピングセンターやデパートが全館で営業再開しています。デリバリーでしのいでいた近くのカフェやレストラン、さらに、府民のいこいの場である動物園や植物園も。
 年パスをもっている私はさっそくゴー。桜はもちろん、アネモネやチューリップの季節は済んでしまったけれど、休園中も丁寧に世話は続けられていて、満開のバラは散らずに待っていてくれていました。写真のようにベンチには犯罪現場のようなテープが張られて、少々殺伐とした光景でしたけれど。
 思い返せば、全国各地の花の名所にとって受難の春でした。「人が集まるから」と咲き誇る花が刈り取られたり‥。人のためばかりに咲いているわけではないのにね。

 さて、戻ってきた風景のなかで、植物園の花にも増して美しいもの。それは、こどもたちが学校に向かう姿です。大人にとっては少々肌寒い朝でも、半袖で学校へと元気に駆けていきます。まぶしいな!
 ただし、大学は別。ライブハウスなどと同様、緊急事態宣言の解除対象にもなりませんでしたし、今後、解除になったところで、もう既に今学期の対面授業休止を決めたところがほとんどです。100人以上の大教室での講義が「3密」なのはわかるけれど、少人数でのゼミや演習も休止です。
 義務教育でない大学は、ひと昔前なら「休講」。しかし現在は「全面Web授業」。準備する教師側も大変ですが、なんといっても気の毒なのは学生たち。アメリカのある調査では、約7割の学生が「授業の質が落ちた」と答えています。
 とはいえ、ヨサヲさんも感じているでしょうが、大学生にとって「授業」なんて、本当はどうでもいい。大学生は大人数の中で揉まれてナンボ。それまでの手取り足取りの学びから、ほっぽり出されて初めて、自分の好きな道を見つける絶好の「モラトリアム特権期間」なのだから。
 大学で学問を究めるもよし、京都を隅々まで巡るもよし、猥雑な夜の街に出てサブカルに揉まれるもよし。・・・でも、まずはいったんキャンパスに集まってから「解散!」したいですよね。

 特にふるさとを離れて下宿にいる大学生は夏まで、なすすべなく呆然としているはずです。家でぼちぼちスマホで授業を見て(パソコンのない学生や通信環境の悪い学生も結構います!)、アルバイトもできないので、下宿とコンビニの往復ぐらい。スマホの画面を閉じれば、狭い部屋にひとり、です。
 そんな折に、なんてすてきな与謝野町のふるさと便なのでしょう!
 もちろん物資で生活を支えることも大きいけれど、それ以上に温かな心が若者を励ますはず。そして、記憶に残るはず。将来にわたっても、振り返れば手を振ってくれている故郷ほど、優しい気持ちを呼び起こすものはありません。

ミヤコ
がんばれ、未来を生きる若者たち! 令和2年5月26日

ミヤコさん

 一部継続エリアはあるものの、非常事態宣言が解除され、少しづつではありますが人や経済が動き出すような雰囲気になってきました。(京都府は継続エリアの一つですが。)
 なんでもそうですが、動いてなんぼ!です。もちろん第二波に細心の注意が必要かと思いますが、人類そんな馬鹿じゃない。経験を活かし速やかな対処ができるものと思っています。

 先日コロナ禍にあって、大学が休校となりいち早く地元に戻った大学4年生と会話する機会がありました。GW明けより大学は始まったものの、すべてオンライン授業。しかも前期いっぱいは続くとのことで、このまま地元にいることになり、大学そして下宿先に戻るのは10月頃になりそうだという話をしてました。通信講座を受け自宅周辺でぶらぶらする、そんな毎日だと。
 いやー、これも普通じゃない!大学は、不完全なりのいろんな生き方やいろんな考え方をもった人と出会い、高校生でもない社会人でもない、極めて貴重な体験のできる場なのに。
 2011年の東日本大震災時に当時の立教高校の校長が卒業生たちに贈った言葉「大学時期とは、立ち止まる自由」を思い出しました。大学とは、自分で考え次第で自分の好きに行動できる期間=授業をさぼってもよし、会いたい人に会い、行きたいところに行き、自分を磨き上げる期間。
 まさにそうだと思います。
 明日の日本や世界を背負って立つ若者たちの今しかない貴重な「立ち止まる自由」の時間が無くなっている。なんだか、すごく悲しくなります。
 今言う言葉でないかもしれませんが、未来を生きる若者がキャンパスで群れ騒ぎエネルギーを爆発させる姿を早く取り戻せたらと願うばかりです。

 学生の話になってしまったので。PRを兼ねてミヤコさんにご報告です。
 与謝野町では、町の出身者で都会で暮らす若者(大学生や専門学校生、社会人)に、心ばかりの地元産のお米や加工品、そして手作りマスクを配布する取り組みがスタートしました。
 ささやかな品ですが、大事なことはこの町を巣立っていった若者を町がずっと応援しているというメッセージ。
 まさに ふるさとからエールを贈る 取り組みです。

 がんばれ、未来を生きる若者たち!

ヨサヲ
与謝野町観光協会 会員企業
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