与謝野鉄幹*の父、礼厳ゆかりの寺。丹後國温江村(現在の与謝野町温江)の細見家の次男として生まれた与謝野礼厳は、幼いころからこの浄福寺で修行しました。「与謝野」姓を名乗るようになったのも、生まれの地を想ってのことです。礼厳が残した歌「見も聞きも涙ぐまれて帰るにも 心ぞ残る与謝のふるさと」には前書きがありそこには「明治25年の春、久しくまからざりし丹後國の与謝に下りて」と記されています。
浄福寺は慶長17年(1612)に開基されましたが、ちりめん街道界隈の他の寺とは異なる立地となっており、寺創立の経緯そのものが異なっていると見られています。また成立した時代も、江戸時代に入ってからとされています。
*鉄幹は与謝野晶子の夫