幼少の頃に母から聞いた「おかえりなさい」を彷彿とさせる場所。 京都府北部・与謝野町加悦の、通称「ちりめん街道」と呼ばれるこの場所は、江戸から明治・大正・昭和初期にかけて、高級織物「丹後ちりめん」が隆盛を極めた場所です。平成十七年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されたこの街道には、ちりめん産業により町を近代化した建造物たちが、今も静かに佇んでいます。 そこは明治・大正・昭和と、それぞれの時代の建築がコンパクトに集約された町。街道は今や住民たちの生活の場ですが、多くの貴重な建造物が今でも住宅として利用されているのです。