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「山の冬の木」連山に ももいろの日の あたり居ぬ 我が行く山の 冬の木の奥 鉄幹
与謝野町ゆかりの歌人、与謝野鉄幹さんが昭和十年一月に発表した短歌です。「鎌倉詠草」と題された連作の中にあり、冬の山歩きに楽しみを見出す様子がうかがえます。
葉を落として枝ばかりになった大江山は、過ぎ去った秋の紅葉と比べて色味に乏しく思われるかもしれませんが、葉がないからこそ分かる冬木の美しさがあります。加えて、共に歩く仲間との楽しい会話や食事、歌にもあるように冬の日差しのほのかな色が枝の間を通って隅々まで届く様子など、小さな発見や感動に目を留めれば、秋とはまた違った冬ならではの大江山の彩りが、きっと見つかることでしょう。