与謝野町観光協会 与謝野日々是

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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
ホップ・ビールの町、遠野に行ってきた! 令和2年11月4日

ミヤコさん

 早いもので11月。今年も残すところ2か月となりました。秋というより冬を感じる寒い日もあり、思わず暖房を入れる日もあります。

 先週、ホップ・ビールの視察研修として、岩手県遠野に行ってきました。遠野は柳田国男「遠野物語」や河童伝説でおなじみですが、今やホップ・ビールの町。与謝野のホップ作りや醸造事業の今後の取り組みの参考にと、関係者8人で訪れた視察研修でした。
 遠野市はは人口約2万5千人。与謝野町とほぼ同規模。交通アクセスも決して良いとはいえず、岩手県の内陸にぽつんと存在する盆地です。ただ半世紀前からキリンビールの契約農家としてホップ作りが盛んで、毎年8月最終週の休日には全国から1万人を超える遠野ホップファンが集まる大イベント「ホップ収穫祭」が開催されます。ここまでビアツーリズムを進化させ、ファンがこぞって集まるイベントは日本でも珍しい。その秘訣を学ぶのも今回の出張の目的でもありました。

 2日間、ホップ関連事業の現地視察と座学。遠野醸造さんをはじめ関連の事業者さん、地域おこし協力隊の皆さんとの面談。さらに遠野市の役場の方々と面談。
 遠野視察で一番感じたことは、「結局は、人」ということでした。ホップ関連に従事している人の大半は外部からの移住者の皆さん。地域おこし協力隊の方が日本全国から集まっていますが、「ホップ、ビールに関する新規事業の立ち上げ」を明確にした志、意志がとても強い人たちばかり。遠野市側は、その成果を見込んでホップ・ビール関連だけで10名近くの地域おこし協力隊を募集するという政策。そこに5倍ほどの50人近くの応募があり、慎重に選考されるとのことでした。

 人が人を呼ぶスパイラルが好回転して、優秀な人材と一緒に仕事をしたいと思う人材が集まる構造。
 お出会いした皆さんが活気にあふれ、夢や目標を実現するために自身の仕事を精一杯頑張っている姿はなんとも頼もしく羨ましくもありました。
 補助金をあてにした行政主導の一過性事業構築でなく、自分たち民間レベルでの事業構築。補助金は必要に応じ申請させ、それを議会に承認させるというこれまた行政の大きなサポート。事業者と行政の間にはがっちりタッグを組んだ相互の信頼関係があります。さらに、大手企業キリンビールの応援が加わり、市全体が活性化しています。
 お話を聞けば、やはりスタートはそうではなかった。努力に努力を重ね、ひとつひとつ成功体験を積み上げ、そのたびに市民の理解を深めようやく今の形になってきたと。

 すべてが、与謝野町のお手本です。この遠野モデルを与謝野バージョンへチューニングすること。事業デザインするのはそう難しくはないのだけど、「結局は、人」。この人集めをどうしていくのか。人の育成をどうしていくのか。つまるところそこになります。

 与謝野ホップ事業はようやくスタートラインに立ったところ。ここからが一番大事な行アクションフェーズ。

 近い将来、「東の遠野、西の与謝野」ブランドができるように、まさにホップ、ステップ、ジャンプです。

ヨサヲ
固定観念カラ、Jumpセヨ! 令和2年11月4日

ヨサヲさん

 最近の書簡、オトナが若者に文句を言う「オヤジジャーナル」的になっていないか心配です(笑)。
ですがやっぱり言いたい!
 学生と話していると、彼らの悩みや迷いさえ、キラキラまぶしくて愛しさでいっぱいになります。けれど、「A社に就職します」「B社に決まりました」と聞くと、とたんに「えっ、そんなところに収まってしまうの?」と残念に思うことが多い。それがいわゆる「一流企業」であってもです。「おめでとう」と言いつつ、内心は「目の前の個性」と「会社」とのマッチングに違和感満載。思わず「よかったね。でも、合ってないと思えば、別の道もあるよ」と小声で付け足してみたりします。

 上級生になると周囲のみんなが「好きな道」「将来」を考えているように見えて焦ります。「同調圧力」は「焦り」「不安」が大好物。知らず知らずのうちに就活レールに載せられて、「よさげな会社」に就職を決めたりしています。
 私は最近、ある国立大の就活担当者と話したのですが、「第1志望ではない会社から『うちが第1志望ですか』と聞かれたら、何と答えるように助言してますか?」と聞いたところ、「まっすぐ相手を見て、『そうです』と答えなさい、と指導します」と真顔で。これって異常ですよね? 社会人としての入り口で「嘘をつきなさい」と教えるなんて。就活って、やはり若者を惑わせるクセモノ的システムです。

 私も若者には、立ち止まって自在に、自由で広い世の中を味わってから、仕事を見つけても遅くない!と励ましたいです。
 私は勤めていた会社を早期退職したのですが、辞めて初めて、こんなに世界は広くて、そしていろんな仕事をしている人がいると気づきました。
 まず「面白いな」と思えることを見つけ、それを突き詰めると、現代ではそれが必ず仕事になります。若者のライフスタイル自身に、次のビジネスチャンスがあるとつくづく思う。たとえば「マツコの知らない世界」。趣味の分野に精通した会社員がよく登場しますが、2度目の登場時には、それを仕事にしている例も珍しくありません。
 就職したとしても、ぜひベンチャー精神をもって会社に新風を巻き起こしてほしい。そして、次の道が見えたら、飛び出してもいいと思います。

 私の大好きなエディは今月6日に亡くなってしまいましたが、ヴァン・ヘイレンの代表曲「Jump」を若者に送ります。「僕は立ち上がる。落ち込ませるものなど何もない。君のつらさはわかる。切り抜けて本物を手にいれよう。さあ飛べ。進め、そして飛ぼう」と歌います。ちょっと落ち込んだ時に聴くと、勇気が出ますよ!エディの笑顔も最高です。 

ミヤコ
与謝野町観光協会 会員企業
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