ヨサヲさま
ホップ収穫のにぎわい、写真からも伝わってきます!参加者のみなさま、一生の思い出になることでしょう。決して大げさではありません。気がついたら反芻している楽しい思い出って、案外限られています。ホップ収穫時のワクワク感と独特の苦みは、暑い夏が来るたび、よみがえるはず。参加できたこどもたち、しあわせですね!
ヨサヲさんが言う「プライスレスの経験」で最近気になることがあります。
最近、虫が減ったと思いませんか?
これ結構、私の周囲で話題になっています。こどもたちの夏の楽しみである虫捕りのターゲットになる昆虫はもちろん、煩わしい蚊、食べ物にたかるハエ、まとわりつく羽虫‥。もちろん、害虫が減るのは嬉しい反面、「なんか、胸がざわつくよね」と。
もちろん蝉はジンジン鳴いているし、梅雨時には例年通りホタルの便りもありました。けれど、全体的には明らかに減った印象です。実は自宅のあるマンションの駐車場の軒で、ツバメが第2弾の子育てをしています。周囲から遅れた子育てに、住民も心配そう。ヒナの育ちも良くありません。「親鳥が虫捕りに苦労しているみたい」と管理人さん。私の家は京都市内でも自然の多い地域ではあります。しかし、確実に都市化している。田んぼは消え、民家が次々と更地になっています。虫たちのすみかだった、樹々や茂みは激減しました。
そんな思いでいた先日、NHKで俳優・香川照之さんがカマキリ先生に扮する「昆虫やばいぜ!」という番組を見ました。なんとドイツの調査では、1994年から27年間で昆虫が76%減ったらしい。希少種はもちろん、身近な虫が減っているのが特徴で、イギリスではハエがこの30年で75%、プエルトリコでは全体の98%(!)の虫が減ったそうです。スピードは驚異的で、試算では100年後には現在の1%未満になるとか。「虫がいなくなって寂しいな」では済まず、食物連鎖が狂い、私たちの食生活だけでなく、「分解者」の不在で伝染病や感染症が蔓延しやすくなるそうです。
もちろん自然豊かな与謝野は「まだまだ虫多いよ!」かもしれません。
都会を離れて、森や小川で遊び、遠方から集まったいとこや地元の友達と虫採りを楽しむことも、長年、夏のこどもたちの幸せな「プライスレス」の思い出です。
「どこにでもあるもの」とうかうかしていては、いつの間にか失われてしまいます。
これから生まれるこどものためにも、多彩で豊かな虫ワールドが守られますように!
写真は市民の憩いの場である「鴨川デルタ」。親子が水辺で小魚や沢蟹を捕っていました。川面は陽光を受けてキラキラ。一瞬一瞬がプライスレスです。
ミヤコ様
お便りが一週間遅れてしまいました。ほんとに申し訳ないです。
病んでいたわけでもなく、ただただ失念しておりました。言い訳がましく言うと、ちょっと忙しかったことが原因かなと。
ミヤコさんからお便りを頂いた頃、ホップ体験の1回目の反省と2回目に向けての修正などでバタバタ、また夏の盆花の販売など打合せが立て続けで・・・、やっぱりいい訳にしかなりませんね。
おかげさまで、はじめてのホップ体験は大盛況でした。2回の体験で約60名の方に参加して頂き、しかも東京・横浜・富山・愛知など遠方の方や京阪神からも多数ご参加頂きました。
ホップ収穫を16時から始め、ホップ畑で1時間。その後は、広大な農園を経営する会社の自称「ファーマーズレストラン」で 食べ放題飲み放題のBBQ。摘み取ったばかりのホップを茶漉しで濾すと、市販のビールが香り豊かなクラフトビールに大変身するなど驚きのお楽しみもあったりで、大盛り上がり。
あらためて、こうした「どこにでもある」ものでないコンテンツのパワーを実感するとともに、こうした魅力のコンテンツの価値をよく知っている方が多数いること、そしてその方々は、「お金では買えない価値」の体験として日本中から来て頂けることに驚きました。
まさに「プライスレス」なんですね。
ミヤコさんの悲しみ、無念の書簡、京都アニメーションの惨事。私はオフィスに行ったことはないのですが、「けいおん!」や「涼宮ハルヒ」はよく知っていたし、何度か企画会議で話題に上りました。周囲もアニメ界を引っ張る関西の雄として認識していました。アニメといえば、昔はオタクの趣味などとメディアが勝手に作るイメージでしたが、今や日本が世界に誇る傑作コンテンツです。
テレビの映像を通じてしかわかりませんが、多くの若者が日本中から現地に訪れ、献花を添え合掌している姿を見るに、なんともいえない気持ちになります。彼らにとって、京都アニメーションの存在もまた、「プライスレス」なのでしょう。
「何事にも変えられない価値」、昨今のグローバル資本主義経済の営利競争の中、今一度しっかり考えなければならないことだと、ホップ体験や京アニ惨事を通じ、実感しています。
暑い毎日が続いております、どうぞご自愛ください。