ヨサヲさま
花の季節。美観のために植えられた桜の並木よりも、私は山里で命を紡いできた千年椿に大いなるロマンを感じて、ひかれます。毎年新しい命を芽吹かせる巨樹は、もうそれ1本でパワースポットですね。間もなく開ける「令和」の時代も、さらにその先も、千年椿はここにいて、移り行く時をみつめ続けるのでしょう。
さて、京都市内も花の季節。
普段からの混雑に輪をかけて凄まじいことになっています。八坂神社周辺の祇園界わい、哲学の道から南禅寺、北野天満宮から平野神社など。桜の名所まわりは狭い筋にまで人があふれ、「これが観光ポスターと同じ場所?」の嘆き声が漏れ聞こえます。
相変わらず車も多い。たとえば、市内に入る名神高速東インターは、降りた先の府道がせいぜい片側1、2車線程度。インターから名所付近まで渋滞し、降りられない車で高速が混む。他府県ナンバーが立ち往生している府道は生活道路でもあります。訪れる人も不快、迎える地元も不快の悪循環です。
それでも、各所でホテルは建設中。ホテル建設って、ヨサヲさんのいうところの「究極の迎合」かもしれません。
たとえば、ホテル激増で、普通のオフィスビルがホテルに鞍替えする例が目立ちます。
中小企業や若いベンチャーが京都に根ざして経済活動をしようとしても、オフィスが見つからない。地元より、観光優先なんです。
急騰した家賃を払える企業は、LINEやサーバーエージェントといった首都圏から来たIT企業や全国展開のフランチェイズ店ばかり。
京都市ではいま、オフィス不足解消のために、景観条例による高さ規制を緩めようという議論まで始まりそうです。本末転倒と思いませんか?
他都市の価値観やお金に振り回される、京都(市)、大丈夫でしょうか。
私の住んでいる市内北部地域はホテルが少ないのですが、最近、このあたりにもホテルの噂が。付近は府立植物園や陶板名画の庭(写真)がある、おっとりとした雰囲気の市民の憩いのエリアです。
ミヤコ様
条例に違反!それはないですねえ。(悲) 常設と仮設の違いは「時間」の問題ということでしょうか。では、芸術とは何か。誰が芸術と決めるのか。こうした曖昧なことに対し、特に行政の応対は、それこそ微妙なケースが多いですね。
京都会館がロームシアターに変わった時、私も何とも言えない気持ちでした。
いつだったか伊勢正三(グループ名は風)のライブ に行き、彼のメロディ・詩とこの会館はすごくマッチしているなあと感じたし、“ジェシーズ・ガール”のリック・スプリングフィールドのライブでは、彼のイカしたステージに「こんなところでやる?」と思わせるアンマッチ感がなんとも面白かったし。〇〇会館○○イベントに「京都」が付くことで、ステージ自体みんながイメージする京都ブランドの不思議な空気感が漂いました。
確かに、箱貸しビジネスとしてのネーミングライツはまだいいとしても、美術館はいかがなものかと。ミヤコさんのおっしゃる通りライツ契約企業のコレクションじゃないとね。
日本には、出光美術館やブリジストン美術館のように、創業者が意志と目的をもってコレクションした名品を見せる美術館がありますが、そのような美術館と比較するとなんとも薄っぺらくみえちゃって。ライツ契約企業にとってもマイナスイメージになるのではと思ってしまいます。
中身はともかく、京都市美術館だから訪れる人も多かったはず。来場者数という点では、それこそ観光客、美術好き、何より京都市民の方、減少しないかと懸念します。
一方、御所の御所車、これはなんとも素晴らしい!私が、いや京都ファンが京都に期待しているのは、まさにこれです。きっと市民の皆さんだって誇りに思われるでしょうし。
京都は、常に凛としてくれていればいいのです。(笑) 観光客に迎合する必要全くなし。かえってそれが京都ブランドを高め、崇められるのですから。
資本主義貨幣経済の競争にも迎合する必要なし。観光公害だのホテルラッシュだの降って湧いたような諸問題で右往左往してほしくないなあ。
なんたって千年の都ですもん。日本の、日本人の誇りですもん。
写真は、開花し始めた「与謝野町千年椿」、こっちも千年の歴史です。(笑)