与謝野町観光協会 与謝野日々是

一社)京都府北部地域連携都市圏振興社
与謝野地域本部与謝野町観光協会
与謝野日々是 > 「往復書簡」終了カウントダウン①
ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
「往復書簡」終了カウントダウン① 令和3年3月17日

ミヤコさん

 今月いっぱいでこの「往復書簡」も一旦終了となり、ミヤコさんとのやり取りが無くなることが何とも寂しいです。
 2018年から約3年間お付き合い頂きありがとうございました。憧れの京都の最新情報を毎回届けて頂き、まるでそこに行った気になる3年間でした。また情報に情緒のスパイスを塗した文章は大すきで、より一層のミヤコファンになりました。
 2週間に一回のペースで書かなければならない緊張感は、当初自ら言ってしまった「気楽にやりましょう!」とは異なり、全然楽じゃなく、締め切り前には必死の思いでした。逆に出してしまうと次のミヤコさんからの書簡が楽しみで楽しみで。
 ほんと、もう何十年前の話にもなりますが、(まだ、iPhoneもSNSもなかった頃)当時付き合っていた彼女に必死で手紙を書いた記憶が思い出されました。何度も何度も書き直し、一字の誤字があればすべて書き直すといった時間と手間ばかり掛かった手紙をポストに投函した瞬間から、その返信を毎日毎日楽しみにしていました。
 毎日ポストを覗き、手紙が届いていた時のワクワク、その封を開けるドキドキ、遠い淡い純な思い出です。そんな遠い思いと似たような体験をこの3年間、楽しませて頂きました。

 「往復書簡」というのは、吉永小百合さん主演の映画にもなった、湊かなえさんの小説「往復書簡」、小泉今日子さんとこぐれひでこさんの「往復書簡」がヒントになったものです。
 この「往復書簡」という漢字や響きがなんとも良くて。デジタル時代真っ只中のアナログ遺物のようで。今アマゾンで調べてみるといろいろ往復書簡のタイトルの本はあるのですね。「漱石・子規往復書簡集」(岩波文庫)や「谷崎潤一郎=渡辺千萬子往復書簡」(中央文庫)ってのも発見。日本の名だたる文豪の方々も書いていたんだと思わず嬉しくなり、即購入しました。

 「継続こそ力なり」という諺があります。
 この3年間、とても鍛えられました。なんでもそうですが、継続することの大変さを思い知りました。でも力になったぜ! 3年を振り返り、つくづくよくやれたなあと思います。
 でも、ひとりじゃできなかった。
 ミヤコさん、本当にありがとう。

ヨサヲ
岡崎に「平成という瓦礫」をみた 令和3年3月17日

ヨサヲさま

 箱を出ては初雛のまま照りたまふ(水巴)
毎年なぜか初々しく、そして優美な雛飾りは、街道に春を呼び込みますね。
 桃の節句のころ、各地の旧街道で雛人形の蔵出しがありますが、与謝野町加悦は格別です。その豪華さで地域の栄華がしのばれるからです。人形たちの顔はもちろん可憐だけれど、加悦の深い歴史や地域の人々の思いを語って表情に大人びた誇りさえ感じます。
 恒例のひなめぐり、ことしは旧尾藤家など限定的で、旧家の蔵で眠るお雛様たちの「世間はまだコロナ禍とやらなのか…」という嘆息も聞こえます。
 来春こそは雛飾りを数珠つなぎに、街道に春を彩ってほしいです!

 京都市内も緊急事態宣言解除と春の訪れで、徐々ににぎわいが戻っています。
 先日、新装オープンした京都市美術館、もとい、京都市京セラ美術館(まだ全然、しっくりこない)を歩きました。
 岡崎かいわいは空も広く開いていて気持ちよく、散歩にはもってこい。とはいえ、正直、驚きました。平日というのに、カフェは満員。館内は螺旋階段などインスタ映えしそうなスポットも多く、若い女性たちがあちこちで自撮りしてました。

 この美術館は昭和8年に開館した、現存するなかでは最古の公立美術館建築です。ご承知の通り、数年前からリニューアルに着手、特にエントランスが大きく変わりました。
 地上から少し掘り下げて、旧建築正面に入場口を足した形ですが、従来の堂々とした風格が、かなりカジュアルになりました。両サイドにはショップとカフェ。正直「若い人受けする、イマドキな普通の美術館になったな」との印象です。私的には、ちょっと残念です。
 現代アートの展示場として新設された目玉の「東山キューブ」にも行ってみました。1989年から2019年を振り返る「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)」という特別展が開催中です(4月11日まで)。
 企画展の入口には、平成を新聞記事などで振り返る巨大なブラックボードがありました。バブル経済崩壊、阪神大震災や東日本大震災をはじめとした相次いだ災害など、こうして一覧すると、なんとも不穏で焦燥感にかられる時代だったと改めて思います。展示も、がちゃがちゃと不安定に積み重ねた、瓦礫のような印象の作品が多かったです。
 今週は、震災から10年目のメモリアル。さすがに瓦礫は姿を消しましたが、被災地の現状は「まだまだ」という言葉を何度繰り返しても足りません。平成はまだ、終わっていない気がします。

ミヤコ
与謝野町観光協会 会員企業
Page top