ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
雪上の「スノーシュー体験」 平成31年2月12日

ミヤコ様

 節分も無事、穏やかに過ぎました。恵方巻をかぶりつくこともなく、豆まきもせぬままでしたが。(笑)
 おかげさまで(が、ふさわしい言葉かどうかわかりませんが)今年は雪があまり降りません。よって積雪もありません。いつもこの時期は、一面真っ白な世界の中、4輪駆動のクルマを走らせているのですが。

 この時期毎年行われる大江山での「スノーシュー体験」。今年は、暖冬で開催が危ぶまれていましたが、ちょうどイベント開催日前日の寒波によって山間に雪が積もりました。ツアーの皆さんは、まさにバージンスノーを踏みしめ、トレッキングを楽しまれました。スノーシュー体験とは、日本で言う「かんじき」の西洋版「スノーシュー」(プラスチックやアルミ製で驚くほど軽い。)を履いて、雪山を散策するアクティブエンタテイメント。雪上の動物たちの足跡を発見したり、春夏には踏み入ることのできない川を渡ったり。休憩時の真っ青な空の下、真っ白な雪上でのあったかいコーヒーやカップラーメンは格別です。スキーやスノボーとはまた違った楽しみ方が味わえます。
 誰でも手軽に体験できるので、参加者も小学生から70代のシニアの方まで。ファミリー、夫婦、友人、お一人様と参加形態もそれぞれ。、が、雪上ではみんな一体となったチームになります。山遊びの楽しさはこういうことかもしれません。最近は外国人の参加者も増え、さらに楽しさが倍増します。

 ちょっとPRみたいに説明的になりましが、お許しください。ミヤコさんも参加されたら、大満足間違いなし!

 雪は、時に我々の日常の生活や生そのものを脅かしますが、スノーシュー体験のように、雪上ではしゃぐ我々を優しく見守るような自然となります。
 自然の不思議さ神秘さあらためて感じるこの季節です。

ヨサヲ
京の鍋は、湯豆腐とスッポン? 平成31年2月12日

ヨサヲさま

 「おふくろの味」「家の鍋」といえば、家族の思い出と合わさってノスタルジックで甘美な響きがあります。ただし、他人には「そんなにウマい?」だったり、ひどい時には「ありえん!」だったり。それがちょっとした争いの原因になったりします。
 一方、全国各地のご当地鍋は間違いなく美味だと思いませんか? たとえ最初は意外な具材の組み合わせに驚いても、ひとくちで魅了されます。
 私は旅行先で必ず「鍋セット」を探します。いまのお気に入りは青森の「せんべい汁」、岩手や山梨の「ほうとう」かな。もちろん、ご当地鍋は現地で食べるのが一番おいしい。でも、旅で出会った味を自宅で再現するのは楽しく、会話も弾みます。
 ネット上の「ご当地鍋マップ」を見ると、京都市は「湯豆腐」「丸鍋」とありました。うーん、湯豆腐は果たして鍋料理でしょうか。まして、スッポンなんて価格がありえん!『美味しんぼ』にも載った有名店は「コースのみ1名2万4000円」だって。ご当地鍋は何より「親しみやすさ」が大切。具材も近くのスーパーで入手できることが必須条件でしょう。要するに京都の人は、湯豆腐も丸鍋も滅多に食べません。

 京都市民の食習慣をめぐる誤解といえば、節分のこの時期は何と言っても「恵方巻」です。先日、東京の友人に「京都が発祥でしょう?」と尋ねられました。
 もちろん、近所のコンビニやスーパーでは「今年は東北東!」と大きな看板があがっています。しかし結論からいえば、私の家で節分に巻寿司をほおばっていた記憶はありません。起源は諸説あり、どうやら大阪から広まった比較的新しい風習のようです。
 節分の習慣として、追儺の鬼やらい(豆まき)をしたり、いわしの頭にヒイラギの枝を刺して玄関に掲げたりはしていました。さらに、実家は商家なので、いまでも節分の深夜、「立春大吉」の御札を店の恵方に貼るちょっとした儀式もあります。

 巻寿司よりも、私はこの時期、工夫をこらしたお菓子が出るのが楽しみです。
 デパ地下を歩き、鬼やお多福、福豆をモチーフにした和菓子を探します。ことし選んだのは、きんとんの赤鬼と上用まんじゅうのお多福さん。鬼の角はゴボウで、お多福は小さく紅をさしていました。
 春の始まりとともに、色合いも柔らかな暖色に。小さな菓子に季節のエッセンスを宿らせる老舗の工夫には、いつも感心しきりです。

ミヤコ