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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
今は昔、京都のバンカラ 平成30年10月17日

ヨサヲさま。

 東京の「ツーリズムEXPOジャパン」での、「何だかなあ」かつ「何やねん、京都(市)!」との思い、想像できます。京都(市)の小ズルいところは、他府県の人たちの誤解をそのままに、「いいとこ取り」で澄ましているところ。まるで「海の京都の幸も、だってそもそも、都のもんでしょ?」的な感じ。京都(市)生まれ、京都(市)育ちの私にとっても、「何だかなあ」です。

 

 さらに、この秋は再び、京都(市)人を増長させる出来事が!そう、京都大学の本庶佑特別教授のノーベル医学・生理学賞受賞です。
 もちろん、ニュースは喜ばしい。先生は何年も前から「大本命」と言われてきたし、毎年動向を追ってきた地元紙の記者も祝意とともに、「ようやく(済んだ)」と安堵しているでしょう。
 とはいえ、受賞のたびに「京都ゆかり」の文字が躍るのが、私としては「何だかなあ」なのです。

京都では「東大=頭はいいが融通がきかない」「京大=頭がいい上、発想が個性的。大きな仕事を成し遂げる」と多くの人が自慢します。
 本庶先生は京都市生まれ京大出身なので、今回は確かに「生粋」なのですが、京都出身ではない人でも「どこかにゆかりポイントはないか」と探し、少しでもかすっていれば溜飲を下げる傾向があります。
 冷静にみると、日本人受賞者26人のうち、京大出身は東大より1人少ない7人。そこで、名大出身で、京大で数年間助手経験のある研究者らを加えて、「京大ゆかり、実にフタ桁!」と胸を張るのです。
 さらに、京大卒業後、そのまま京都で研究生活をした人が少ないのも気になるところ。

 加えて、「自由な学風」と言うものの、自由でバンカラな雰囲気は既に消えつつあります。名物だった「立て看板」も市条例違反として一斉撤去されました。東大路通に学祭や大学自治会のアピールが並ぶ風景、好きだったなあ。学問や芸術って、雑然とした混沌から生まれると思いませんか?
 雰囲気だけではなく、学問も実学寄りにシフトしているし、ここから傑物が現れるのでしょうか?

 これからの京都を思うならば、薄っぺらな褒め言葉に酔わず、足もとを見つめた方がいいとつくづく思うな。京都(市外)の方が、よっぽど豊かじゃないですか!

ミヤコ
恐るべし、京ブランド 平成30年10月17日

北野天満宮と言えば、大学受験の際に参拝して赤牛に触れた思い出が蘇ります。見事に惨敗=不合格でしたが。(笑)その後何度となく訪れましたが、「ずいき祭り」、全く知りませんでした。こうして崇められると、そりゃあ京ブランドになるやん。
万願寺唐辛子にしても海老芋にしても九条ねぎにしても、近隣以外の方にとっては、
京の都(=京都市)で採れたりっぱなお野菜、という認識です。そう、京野菜の京は、都がイメージされて、雅とか伝統とかのありがたみが増幅します。
東京の蕎麦屋では、万願寺唐辛子、九条ネギなどの京野菜料理に対して、今日たまたまありつけるあなたはなんと運のよいことか、ののりで薦められます。まるで公家様の食べ物の如く。思わず庶民を自覚した客は、なんとまあ幸運なことか、それじゃあと言って注文してしまいます。(特別な味でもなく高価なのに。)
恐るべし、京ブランド。

先日、東京のツーリズムEXPOジャパンという世界最大級の観光イベントに参加してきました。我々のブースは、「もうひとつの京都」すなわち京都(市)以外の京都の魅力の発信するブース。しかしながらお客様にとって、「もうひとつの京都」と言ってもピンとこなくて、よくわからないありさま。ほとんどのお客様の頭の中には、京都はひとつしかなく、京都は京都(市)。他の都道府県は市と都道府県が分離されているのだけど。どうしたことか、京都(府)に限っては、シンガポール状態。
北の方と言ってもたいていは上賀茂神社あたり、がんばって鞍馬。
一応全国区の認知と思われる天橋立や伊根も、京都と聞いて驚き(たぶん福井とか鳥取のイメージ)海があることにビックリされる。

京都は京都(市)だけ。すごくシンプル。京都というワードをつけて地域の知名度アップ、ブランド力強化を試みてきましたが、どうやら間違いかもしれません。
で、どうする?どうしよう?どうしたらいいですか?
奥の京都で、悩みが尽きません。観光シーズン到来というのに。

ヨサヲ
与謝野町観光協会 会員企業
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