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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
名作は「推し愛」から。『羅生門』書簡に思わず涙。 令和3年2月24日

ヨサヲさま

 明智光秀については巷に流布する生存説が味わい深いですよ。『麒麟がくる』でも有名な「光秀=天海説」を彷彿させる仕掛けが随所にあり、伝説ファンを喜ばせました。
 実は、京都府内にも落ち延びた足跡が点々と残ります。特に集中するのは落命したと伝わる小栗栖(京都市伏見区)から数キロ離れた宇治市内。専修院には匿われたお礼に光秀が残した歯痛を治すという石が、神明神社には隠れていた「葉隠井戸」が残ります。近くに赴任していた時に訪れましたが、趣ある立派な井戸で、身を隠すには最適。静かな境内にたたずんで想像の翼を広げれば、眼前に自分だけの後日譚がドラマチックに展開するようです。
 バッドエンドにはハッピーエンドほどのカタルシスはありません。けれども心に長く残るのは、むしろバッドエンド。人々の愛情が生存説を産むのでしょう。
光秀生存を辿る旅は旧街道沿いに西へ東へと点在します。大きな地域起こしには結びつかないかもしれませんが、ドラマの余韻はコアなファンには根強く残ることでしょう!
 私もその一人です!特に丹後は細川忠興とガラシャなど後日談の宝庫です。玉ちゃんの苦難の物語。こちらもゆっくり辿らねば、気持ちが落ち着きません!

 心に残る名作つながりで、私は京都文化博物館の『羅生門展』(3月14日まで)に行ってきました。映画公開70周年記念の展覧会で、黒澤明や橋本忍の創作ノートやメモ、びっしりと書き込みが残る三船敏郎らの台本、大映京都撮影所に建造された巨大セットの記録など、貴重な資料が紹介されています。
 実は私は『羅生門』フリーク!なかでもキャメラの宮川一夫さんが大好きで、ご存命時に自宅(京都市北区)でセットの門に掛かっていた扁額を見せていただいたことがあります。
 今回の展示は初めて見る資料ばかりで大興奮。特に泣きそうになったのが、この映画を海外に紹介したイタリア人女性の書簡の数々です。
ご存知の通り、日本公開時はさっぱりだった映画の評価を格段に上げたのが、ベネチア国際映画祭でのグランプリ金獅子賞。実は当初、同じ黒澤映画の『野良犬』『酔いどれ天使』が出品候補作でした。映画祭事務局や大映側と根気よく交渉して『羅生門』を押し続けたのが、ストラミジョリさんというイタリア人女性映画研究者でした。
 書簡には、今でいう「推し愛」炸裂です。この愛なければ、『羅生門』は世界映画史から埋もれ、「世紀の名画」とはなり得なかったでしょう。
 展覧会では、世界公開時のさまざまなポスターもありお国柄があらわれていて面白いです。写真右はスウェーデン公開時。主人公が浮世絵風で笑撃です!

ミヤコ
麒麟はきたけど・・・ 令和3年2月24日

ミヤコさん

 ミヤコさん、「麒麟がくる」終わりましたねえ。
そもそもこの大河、放送直前よりいろんなアクシデントに見舞われ、麒麟に呪われたような1年でした。それでも平均視聴率20%は4年ぶりとか。大河がマイナー番組になっていく中で、大検討です。出演者やスタッフの皆さん、お疲れ様でした!

 福知山の観光関係者の方とお話ししましたが、「最後の最後に少しだけ福知山が紹介されただけだったけれど、それでも麒麟特需の1年間でした。残念だったのはコロナ禍でお客様が予想の半分、いや1/3だったこと。」と。確かに、私でさえ今まで福知山線の電車の窓越し見るだけだった福知山城に3回行き、東京の知人に福知山産品を2回送り、ミヤコさん指摘の期間限定「ドラマ館」にまんまと2回も入館してしまいました。(笑)おまけに知人を連れて御霊神社も3回案内。さらには、城、神社を訪れた際には、駅前でランチ、おっと、駐車場も利用したぜ。結構、お金落としましたよ!
近隣に住む私ですらそうですから、他府県からの「光秀ファン」「大河ファン」の方も多数訪れ、宿泊されて福知山産業振興に貢献されたことでしょう。
 そうそう、我が町の道の駅内の「野菜の駅」でも「麒麟がくる」コーナーを設け、福知山の産品を販売していました。これがまた夏秋にはよく売れました。コバンザメ商売!
 考えてみれば麒麟はきていましたね。確かにこのコロナさえなければもっともっと麒麟の存在は大きかったことに違いない。コロナ禍にあっても「大河」効果を身近で感じた1年でした。

 ただ、こうした大河ファン、大河ドラマロケ地巡りも、実は60代、70代が主役。そもそも「大河」視聴は60代がメイン。若者は、大河なんて見ない、いや知らない。昨今のテレビドラマロケ地巡りも、視聴率の低迷からそんなにブームになるわけでもない。メディアミックスツアーのあざとさもすっかり見抜かれてしまっているし。
 ミヤコさんも私も数十年若い2021年なら、こんな話、全くしていなかったでしょうね。
 「大河って、それ何?」「テレビ見ないしわかんない。」てな、感じで。

 そういう意味でも、もう大河やアニメ頼みの地域おこし、そろそろ距離を置いたほうが賢明かも。です。

ヨサヲ
与謝野町観光協会 会員企業
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