ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
なんたって千年の歴史やで~ 平成31年3月27日

ミヤコ様

 条例に違反!それはないですねえ。(悲) 常設と仮設の違いは「時間」の問題ということでしょうか。では、芸術とは何か。誰が芸術と決めるのか。こうした曖昧なことに対し、特に行政の応対は、それこそ微妙なケースが多いですね。
京都会館がロームシアターに変わった時、私も何とも言えない気持ちでした。
 いつだったか伊勢正三(グループ名は風)のライブ に行き、彼のメロディ・詩とこの会館はすごくマッチしているなあと感じたし、“ジェシーズ・ガール”のリック・スプリングフィールドのライブでは、彼のイカしたステージに「こんなところでやる?」と思わせるアンマッチ感がなんとも面白かったし。〇〇会館○○イベントに「京都」が付くことで、ステージ自体みんながイメージする京都ブランドの不思議な空気感が漂いました。

 確かに、箱貸しビジネスとしてのネーミングライツはまだいいとしても、美術館はいかがなものかと。ミヤコさんのおっしゃる通りライツ契約企業のコレクションじゃないとね。
日本には、出光美術館やブリジストン美術館のように、創業者が意志と目的をもってコレクションした名品を見せる美術館がありますが、そのような美術館と比較するとなんとも薄っぺらくみえちゃって。ライツ契約企業にとってもマイナスイメージになるのではと思ってしまいます。
 中身はともかく、京都市美術館だから訪れる人も多かったはず。来場者数という点では、それこそ観光客、美術好き、何より京都市民の方、減少しないかと懸念します。

 一方、御所の御所車、これはなんとも素晴らしい!私が、いや京都ファンが京都に期待しているのは、まさにこれです。きっと市民の皆さんだって誇りに思われるでしょうし。
 京都は、常に凛としてくれていればいいのです。(笑) 観光客に迎合する必要全くなし。かえってそれが京都ブランドを高め、崇められるのですから。
資本主義貨幣経済の競争にも迎合する必要なし。観光公害だのホテルラッシュだの降って湧いたような諸問題で右往左往してほしくないなあ。
 なんたって千年の都ですもん。日本の、日本人の誇りですもん。

 写真は、開花し始めた「与謝野町千年椿」、こっちも千年の歴史です。(笑)

ヨサヲ
そこに目くじら立てるのか? 平成31年3月27日

 ヨサヲさま

 ひなめぐり、おつかれさまでした!和装で巡られた観光客の方もおられたとのこと。これこそ、他地域のひな祭りイベントとはひと味違う、与謝野の本物ポイントですね。

 さて、こけし「花子」を許可した京都の寛容さを讃えてくださったので、裏事情をお教えしましょう。
 現実は、悲しいかな、その逆。「1カ月余の展示はもはや『常設』。高さ12mは京都市風致地区条例に違反」との指摘で、途中で「寝かせた」らしいです。信じられない!
 「花子」を手がけたユニットYotta(ヨタ)は2人とも京都ゆかりの芸術家で、現代アートの最高賞ともいえる岡本太郎現代芸術賞を受けた本格派です。モットーは「アートと一緒にまちに出る」。見慣れた場所を非日常な空間に変えるのが最大の持ち味です。
 趣旨は面白いし、このアートイベント自体が行政の肝いりなのに、なんで水を差すのかしら。私は、東山を背景にした風光明媚な岡崎公園の鳥居横に立つ、京都市美術館の建て替え巨大クレーンの方が、よほど景観を損ねています。ずっと立ってるし。
 考えてみれば平安神宮の鳥居だって、かなり破調の造形物です。
 鳥居も、こけしも、ついでにクレーンも。芸術のミヤコというなら、アートとして受け入れる度量がほしいです。
 アーティスト側が、それを逆手に「寝かしちゃった」ところは、さすが。
 こけし花子はポンプ式だし、高級車を石焼き芋カーに改造した岡本太郎賞の「金時」はもちろん走行可能だし、与謝野にも招いてみてはどうでしょう。ヨタは、ド派手な外見から「ヤカラ感」が漂いますが、とってもナイスな人たちと聞いています。

 ちなみに、建築が進む京都市美術館は、ことし、ネーミングライツで「京セラ美術館」と名称変更になるそうです。青春時代に数々のコンサートで思い出いっぱいの京都会館は既に「ロームシアター」に変わったし、こういった文化施設が、スタジアムと横並びにお金で名前を売却するのは、どうなのでしょう。
 特に美術館は、この企業がコレクションを収集したわけではなく、京都画壇の画家たちや市民が「ふるさとに」と寄託した美術品も多いのです。それが、市民に諮られることなく、あっさりネーミングライツを採用した行程にも、私は釈然としないなあ。

 ぶーたれっ放しでごめんなさい。
 京都はいよいよ観光シーズン突入です。私は京都御所の特別公開に行ってきました。
写真ぐらいは古都の薫りに満ちた、御所車(ゴージャス!)をどうぞ!

ミヤコ