東京・新宿は高層ビルや人混み、ナイトライフなどで有名ですが、あまり知られていないもう1つの側面があります。ある意味において、そこは東京における丹後のような場所です。新宿区の中井、落合、早稲田には30箇所以上の活動されている染色工房があります。
江戸時代に東京が成長するにつれて、染色家たちは布を洗うためのきれいな水を求めて、上野地域の近くから西へ行き、川を上って行きました。
近年では、着物を着る人が以前ほど多くいないため染色業界も縮小し、職人達も高齢になり多く引退されてきています。経緯として世のほとんどの人はその歴史とそこで働いている染色家についてあまり知らないので、彼らは自分の作品を披露するために年に一度の染色祭「染の小道」を開催することにしました。そのイベントは毎年2月の最後の週末に行われています。
「染の小道」は、染色作品の見学と、誰でも参加できるいくつかの小さなイベントの2つの異なる方法で構成されています。
まず、川のギャラリー。かつての川で着物を洗うシーンは、川の上で反物を掛けることによって再現されます。合計で144着の着物が川に掛けられています。それらのいくつかは染色工房で作られたものであり、その他のものは地元の学校や福祉施設での授業によるコラボレーション作品として染色展示されています。それらはどれも美しく、晴れた日には風に吹かれて気持ちよくなびいています。
次に、ストリートギャラリー。100人以上の染色家と工房がのれんやドアカーテンを寄贈し、中井町周辺のお店の出入り口に掛けられています。友禅、ろうけつ染、紅型、江戸小紋、更紗、絞りなど、様々な染めの種類が表現されています。歩き回ってあなたのお気に入りののれんを探して選ぶのは楽しいですよ!
染の小道のイベント内ではたくさんのことが行われています。リユース・リサイクルの着物や工芸品を小さな屋台で販売する人がいたり、ステンシルの裁断や布地の染色を体験練習できる特別なワークショップ、職人が自分達の仕事や作品を披露する着物の展示などが行われています、また、地元のレストランやカフェバーでも特別な週末メニューがセットされています。
このイベントは新宿の着物産業の歴史を楽しく学べる多彩な内容になっています。来年あなたもぜひ着物を着て、どんなことが行われているか見に行きませんか?