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シーラクリフの きもの日々是
December 14, 2019

着物の作り手と着る人が繋がる素晴らしさ

あなたは自分の着ている服を実際誰が作っているか知っていますか?セーターを編んでくれる友人でも身近にいない限り、おそらく皆さんご存知ではないでしょう。
洋服は一般的にそれが着用される国では作られていません。日頃私たちの多くは、自分の服が人件費のとても安い土地の工場で、誰かが家族を養うために苦労して搾取されながら作られているかもしれない、という事実についてあまり考えないようにしています。しかしながら、着物については事情が異なります。

普段から着ている着物の作り手と実際に知り合うことができるのは、私にとってとても嬉しいことです。私には江戸友禅の染色作家である田邊慶子さんという素敵な友人がいますが、彼女は楽しく陽気な方で、素晴らしい職人であり、東京都工芸染色協会に最も長く奉仕している女性です。伝統工芸士として着物を作るだけでなく、その工芸の技術を次世代に引き継ぐという使命をもたれています。彼女は自身の教室を持っているほか、小学校にも行って友禅について教え、子どもたちに経験させてあげています。彼女は主に美しい着物と帯を作っています。彼女は顧客から要望をきいて、美しいイメージやデザインを作り出します。彼女の作品を着ること自体が特別な喜びです。私の娘の成人にあたっても着物を一着作っていただきましたが、これも受け継いでいくべき宝物です。私たちは愛情と着物を通じて結びついています。

最近、私は興味深いプロジェクトで作られた「最後の」着物を購入することができました。埼玉県川越市で活動しているN P O川越きもの散歩は、秩父の養蚕農家さんと共同でプロジェクトを行い、3年間で計10着分の着物を作れるだけの絹を提供しました。それらの絹は関東地方のさまざまな織工さんや染色家さんの元に届けられ、職人たちの手によって独特の着物に仕上げられました。

私の平織りのお召し着物は、 群馬県桐生市で最後の桐生織の工房をされている泉太郎さんが作ったものです。彼は自身で織った布に絞り染めを施されています。彼の作品は独特で美しく、すべて日本の絹で作られていて、私の着物は様々なパステルカラーで染められています。先月、彼が東京にて作品展示をされているときにお会いできましたが、彼の工房で作られた他の着物の数々を見ることができたのも特別なことでした。


群馬県の館林はかつて綿花の産地でした。綿紬と縞木綿の着物を織ることは、その土地に住む人々の家計にとって重要な部分でした。 2年前に全ての織り作業を終えられた、館林で最後となる織工さんから、まだいくつかの着物や反物が倉庫に眠っていることを伺いました。私は山岸美恵さんという方を訪ね、縞木綿の美しい着物の見本を見せていただきました。彼女もいくつか着物と反物をお店に残しておられました。それは館林地域で最後に織られた着物です。私は館林で着物を織ることが今や歴史の一ページとなったこと、とうとう伝統が終わりを迎えてしまったことに気づき、悲しい気持ちになってしまいました。綿の着物は手頃に買うことができて手入れも簡単なので、仕事着にするには最適です。私は普段、お古の着物を着ていますが、それらについてのストーリーは知りません。

私は着物を着るとき、それらの背後にある作り手のことを考えます。そして、私は作り手の皆さんが特別であり、とても勤勉であり、愛と献身に満ちていることを知っています。これは日本の着物文化にとって最も美しいことです。



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