加悦谷の 畦を重ねて 草紅葉
俳誌「蕗」を創刊主宰し、また当町の蕪村顕彰全国俳句大会の前身「江山文庫俳句大賞」の選者をつとめた倉田紘文は加悦谷地域に門人も多く、毎年のように当地を訪れました。その際の一句です。
草紅葉とは木々の紅葉に対し、野の草が色付くこと。大江山を背負ってなだらかに傾斜をなす田の畔は草紅葉の色を湛えて重なり合い、素朴で穏やかな日本の秋の原風景を描き出しています。
(平成十七年設置)
与謝野町加悦地区、与謝野町役場加悦庁舎の隣りにある駐車場内にこの句碑はあります。またこの句碑の前には旧加悦鉄道の駅舎を利用した「加悦鉄道資料館」があります。
加悦駅舎は、加悦鉄道の開業に合わせて大正15(1926)年に建てられた洋風の木造二階建ての建物です。加悦鉄道の廃線後、平成8(1996)年に町の文化財に指定され、平成13(2001)年に建物の曳き移転と修理が行われました。国の重要文化財に指定されている「加悦2号蒸気機関車」の資料をはじめ、加悦鉄道の足跡を示す貴重な資料が展示されています。