小春雲 綿と飛ぶ松 沈むかと

大内峠エリア河東碧梧桐

参道の石段の登りに建つ、河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)の句碑です

 大内峠
 小春雲(こはるぐも) 綿と飛ぶ松 沈むかと  碧

 季語は「小春」。冬の初めの、春に似た日差しの温暖な日のこと。
 小春日和の今日、空には細かい雲がちぎった綿のようにたなびきながら日差しを浴びている。何とも美しいその雲を頭上に抱き、天橋立の松並木も沈んで見えるようだ。
 前書きに「大内峠」とあることから、現地での実景であることが分かります。
 河東碧梧桐は明治6年(1873)、正岡子規と同じ松山に生まれ、同級生であった高浜虚子と共に子規に俳句を学びました。のちに上京し、子規のもとで俳句革新の精神を培いました。子規の没後、新聞『日本』の俳句欄選者を引き継いだ碧梧桐は、明治39年8月から44年7月(1906~1911)にかけて、二度に分けて全国行脚の旅に出ます。この大旅行の様子は「一日一信」「続一日一信」として新聞『日本』、後には雑誌『日本及日本人』に連載されました。丹後には明治42年10月末に訪れ、11月2日に大内峠に上っています。同日付の「続一日一信」には、前日に見た桜山や成相寺から見た橋立と異なる眺望に驚いた様子が記されています。
 また碧梧桐は大正14年にもこの地方を訪れて丹後時代の蕪村絵画を丹念に調査し、翌年に『画人蕪村』を出版しました。

周辺のロケーション

ご紹介した句碑は、与謝野町岩滝地区にある大内峠、一字観公園内にある妙見宮の参道入口に静かに佇んでいます。

妙見宮参道は、山道途中にある「長命いっぷく名水」付近に入口があります。この句碑をスタート地点として、階段を登っていくと途中に数点の句碑が点在しており、階段を登りきると妙見宮、日本三景 天橋立の眺望です。

参道では木々のざわめきと鳥たちの声を聞きながら、おだやかな、かつ凛とした空気感を味わっていただけることでしょう。

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