与謝野町観光協会 与謝野日々是

一社)京都府北部地域連携都市圏振興社
与謝野地域本部与謝野町観光協会
与謝野日々是 > 期待するのは、「非非非非非非非非日常」
ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
期待するのは、「非非非非非非非非日常」 令和元年9月4日

ミヤコ様

 早いもので、9月になりました。何となく肌寒い日もあります。ここ与謝野は、これから稲刈り本番。黄金色に輝く田畑が今見ごろです。

 今年の夏は、ホップ体験、先日の大江山ナイトハイクといった、与謝野初物イベントの準備と運営に追われました。それぞれ初物だけに、企画段階から侃々諤々のミーティングや天候とのにらめっこが続き、「大丈夫?」「大丈夫?」の連続。前日には、「これでほんとに大丈夫?」のダイジョブクライマックス状態。やるだけやった、なるようになると腹をくくり、当日となりました。

 結果、上のような心配は嘘のように、ホップ体験もナイトハイクも大盛況。お客さまも、ティーンからシニアまで。男女比もほぼイーブン。参加者はホップ体験約50名、ナイトハイク約20名。しかも遥々東京・神奈川・愛知・富山などの遠方や関西も京都市・大阪市・神戸市といった都市部から参加して頂きました。何よりお客さまの満足度。書簡にも記しましたが、「プライスレス」体験だと。思わぬ事実に、関わったスタッフもびっくり、「ひえーこんな体験にきてくれるんだ!」とうれしさより驚きの連続でした。

 ここ2年、いろんな体験商品を造成しましたが、実はこの2つの商品のお客さま満足度の手ごたえ感が一番。告知後の食いつきも早い。お客さまサイドで迷ってない。 どちらかというと「こんな体験待ってました!に近い。こちらサイドの 「大丈夫?大丈夫?」の心配をよそに「待ってました!」はなんとも不思議なギャップです。
この体験を通じ、あらためて、田舎の魅力を考え直す機会となりました。今はもう、田舎の姿を単にそのまま伝えるだけでは物足りないのですね。みなさん、田植えや稲刈り、フルーツ狩りなんかとっくに体験済みで驚かない。もっともっと非日常的な体験じゃないと興味関心も示さない。
 お客さまが求めているのは「非非非日常」。多少のらんぼうさや危険(このあたりは絶妙な落とし込みが必要ですが)をアドベンチャー体験の一貫として消化してくれているようです。もちろん、安全面、衛生面については必要不可欠ですが、見えすぎてはいけない。「安全」「衛生」の見えないセーフティーネット上で展開される「非日常」を探されている気がします。

 今後は、ホップ×稲とかトレイル×稲とか稲×ドローンとか、いわゆる大きなフィールドで様々な体験ができるような商品造りが必要かと。それには、各関係者を横断的に組織してチ―ム化するという難題もありますが、そこは町挙げての誘客プロジェクトの大目標で共通認識を持つしかない。

 つらつら記しましたが、そんな令和の夏でした。
 おっと、すっかりミヤコさんの「文化」「東京」に答えられていない。この件は次回に。

ヨサヲ
文化財は使ってナンボ? 令和元年9月4日

ヨサヲさま

 ふるさとから送り出した「わが子」が京都市内で頑張っている姿に立ち会い、人々の笑顔の中心にいる場面を味わえるなんて、きっと格別だったことでしょう。親善大使って、人だけじゃないですね。そんな逸品を持てるヨサヲさんや与謝野の方々は幸せです。ホップでポップな夜に乾杯!
 ぜひ、ビール以外の「ふるさと選手」の情報もください。私も与謝野応援団のはしくれとして、活躍を目撃&旗振りに出掛けます。

 さて、私は夏の締めくくりの夜、下鴨神社(左京区)で開催中のチームラボのイベントに行ってきました。東京お台場の常設展「ボーダレス」が大人気ですよね。チームラボは東京や海外(中国・深圳など)での大掛かりなプロジェクト以外に、全国各地で小規模の「出前イベント」を数多く手がけていて、そのひとつです。
 かなり混雑している、と聞いていたので、平日、それもクローズ間近の午後9時過ぎに行ったのですが、境内は大晦日並みの人出でした。みなさん「アートを体験」というより、いわゆる「インスタ映え写真を撮りにきている」という感じかな。入場料は結構高い(1300円!週末は200円マシ)わりに作品は単調ですが、いわば記念撮影代と考えればお値打ちかもしれません。
 東京や海外のアーティストやイベンターにとって、京都で、それも世界遺産の神社仏閣で催しができるのは付加価値が高いのでしょう。

 この点で、いま「大成功」している、といわれるのが、過去にチームラボも展覧会をした国宝二条城(中京区)です。二条城の所有者は実は京都市。和服にえびす顔の名物市長の懐刀的な人物が事務所長に就任して以降、いろんな試みを連打しています。
 たとえば、名物料亭で人気だった「朝がゆ」を非公開の香雲亭で提供したり、ウエディングや舞台公演に開放したり。これらが半世紀ぶりの入場者アップにつながり、昨年には自治体としては初めて「ベスト・プロデュース賞」に輝いています。
  「文化財は使ってナンボ!」「もっと活用せよ」「稼げ!」と京都市にハッパを掛けているのが、有名なデビッド・アトキンソン氏。アナリスト出身で現在は文化財修復会社の経営者で、確か政府観光局の顧問も務めているはず‥。
 二条城では来月、東京以外では初めての国際的な美術見本市「アートフェア」が開かれます。
 知人の地元新聞の美術記者によると、電通の担当者が「京都でこんなにすごいイベントをするなんて前代未聞。当然取材しますよね」と広報にきたそうで、「正直、気に食わなかった」と申しておりました。
 そうなんだよね・・・。私も実は、「文化財は使ってナンボ」「地元でなくて東京、いや海外目線でイベントを企画せよ」という最近の風潮、なんか気に入らないんです。
 ヨサヲさん、どう思われますか?

ミヤコ
与謝野町観光協会 会員企業
Page top