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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
最近、耳にする「公害」 平成30年12月18日

ミヤコさん

平成最後の年末ですね。お忙しいことと察します。2018年の訪日客はついに3000万人の大台を突破するような勢いのようです。最近、「観光公害」「オーバーツーリズム」という言葉をよく聞くようになりました。京都市に住まれるミヤコさんの話が、とうとう国の問題、メディアの関心事となって表面化してきました。

京都市は、人口150万人に対して、年間観光客数5000万人。市民の37倍。
なんと鎌倉市は人口17万人に対して、年間観光客2000万人。市民の125倍。先日テレビで、観光客溢れる鎌倉、江ノ電の線路上で撮影する訪日客の様子が。インタビューに、「スラムダンクの冒頭シーンの場所での記念撮影」と答えてました。(話逸れますが、スラムダンクもグローバル(観光)コンテンツです、笑)

有識者は、この解決方法を場所・時間の分散化と言ってますが、それで解決するのかなあと疑問です。時間の分散は、既に早朝○○、夜の○○など京都市や他の観光地でも取り組まれていますが、目に見えるような効果はでていないような気がします。
やはり、場所の分散をもっと大規模で実施するしかないのでは?と思うのです。

大規模とは、京都市内での場所(スポット)の分散化ではなく、京都府全域を対象とした場所(エリア)の分散化。京都市観光ではなく、京都府観光。それには交通インフラや宿泊インフラなどまだまだ課題はあると思いますが、まずは方向性の大号令でも出してもらいたいものです。

来年のゴールデンウイークは10連休。訪日客3000万人時代に加え、日本中が休暇に入り、日本人の大移動が予想されます。このままだとせっかくの10連休も家に閉じ籠らなければならない家族が大発生します。まるで失職家族みたいに。行先は海外しかなくなるんじゃないかな。ということは、羽田や成田、関空などの主要ターミナルが大パニックに陥ることも想像されます。こわい、こわい。

「観光公害」・・・久しぶりに「公害」という言葉を聞きます。「公害」といえば、高度経済成長の70年代、工業化に伴う大気汚染、水質汚染でした。小学生ながらに社会の矛盾を感じた記憶があります。半世紀ぶりに聞く観光というサービス産業に伴う「公害」は自然破壊に留まらず、生活環境の侵害という住民の日常生活を脅かす新たな害です。やはり、成長の一方でなんらかの問題が発生すること、そしてあらためて「観光産業」の難しさを実感します。

ヨサヲ
「連携」と「上手な境界線」で個性守りたい。 平成30年12月18日
ヨサヲさま

  国立京都近代美術館で開かれている「藤田嗣治展」(〜16日)に行ってきました。没後50年の大回顧展で、乳白色の女性像から太平洋戦争時の問題作まで、大好きな猫の絵もあって、ミュージアムショップでのお買い物も大満足でした。
  高速道や特急が完備されたことで、いい面もたくさんあります。都市部は確かに、展覧会やイベントは多い。交通の便がよくなったため、与謝野で暮らしていても気軽に出かけて楽しめます。
  先日の「きものでぶらり」の時、髪のセットを担当してくださった若い美容師さん(すてきな方でした!!)は東京出身で「結婚を機に、移住しました」と話されていました。初めての与謝野での暮らし。山を越えてやって来た「桃源郷」でのこれからに、内心はちょっぴり不安も感じておられると思います。しかし、心配はありません。半日の休みがあれば、いや思い立ったら、京阪神に気晴らしに行けばいいのです。
  Iターン、Uターンされる方は、地方暮らしへの憧れがあるとはいえ、慣れた都市部とのつながりも断ちたくないはず。与謝野はこの点も大いにアピールできますね。

  さて、「越える山がある」おかげで、地域の個性が守られることもある、と最近つくづく思うんです。「単調な地続き」だと、色が混じり合ってしまうと。   たとえば京都と大阪。
  「天下分け目の天王山」があるものの、電車での移動はトンネルもなく、通勤や通学でひんぱんに往来して地続き感があります。
  そして、京都は近年、上方のよしもとパワーが席巻している気がします。
  もちろん私も関西人ですから、土曜の昼間に放映されている新喜劇を見て育ちました。近所には京都花月劇場もありました。この劇場は1980年代に閉鎖されたものの、2011年には祇園花月もオープンして、京都とよしもとの馴染みは深い。
  祇園花月は観光客に人気だし、数年前には「京都国際映画祭」によしもとが参画し、財政面でも動員面でも寄与しています。いくよ・くるよ師匠は京都出身でもあり、秋の映画祭シーズンにはまちのポスターに「どやさ〜」が躍ります。
  けれど、私はいまひとつ釈然としません。地域のカラーは違う方がいいからです。
  2025年に大阪万博開催が決まりました。大阪府知事によると「誘致に大風呂敷を広げたため、周辺府県も協力を」だそうです。個性の強い大阪の浸食パワーはますます強まりそう。ちょっとため息。
  地域の連携は、個性の強い方、メジャーな方に引きずられることなく、持ち味を尊重しあえる関係がいいな、と思いませんか?
ミヤコ
与謝野町観光協会 会員企業
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