ミヤコさん
平成最後の年末ですね。お忙しいことと察します。2018年の訪日客はついに3000万人の大台を突破するような勢いのようです。最近、「観光公害」「オーバーツーリズム」という言葉をよく聞くようになりました。京都市に住まれるミヤコさんの話が、とうとう国の問題、メディアの関心事となって表面化してきました。
京都市は、人口150万人に対して、年間観光客数5000万人。市民の37倍。
なんと鎌倉市は人口17万人に対して、年間観光客2000万人。市民の125倍。先日テレビで、観光客溢れる鎌倉、江ノ電の線路上で撮影する訪日客の様子が。インタビューに、「スラムダンクの冒頭シーンの場所での記念撮影」と答えてました。(話逸れますが、スラムダンクもグローバル(観光)コンテンツです、笑)
有識者は、この解決方法を場所・時間の分散化と言ってますが、それで解決するのかなあと疑問です。時間の分散は、既に早朝○○、夜の○○など京都市や他の観光地でも取り組まれていますが、目に見えるような効果はでていないような気がします。
やはり、場所の分散をもっと大規模で実施するしかないのでは?と思うのです。
大規模とは、京都市内での場所(スポット)の分散化ではなく、京都府全域を対象とした場所(エリア)の分散化。京都市観光ではなく、京都府観光。それには交通インフラや宿泊インフラなどまだまだ課題はあると思いますが、まずは方向性の大号令でも出してもらいたいものです。
来年のゴールデンウイークは10連休。訪日客3000万人時代に加え、日本中が休暇に入り、日本人の大移動が予想されます。このままだとせっかくの10連休も家に閉じ籠らなければならない家族が大発生します。まるで失職家族みたいに。行先は海外しかなくなるんじゃないかな。ということは、羽田や成田、関空などの主要ターミナルが大パニックに陥ることも想像されます。こわい、こわい。
「観光公害」・・・久しぶりに「公害」という言葉を聞きます。「公害」といえば、高度経済成長の70年代、工業化に伴う大気汚染、水質汚染でした。小学生ながらに社会の矛盾を感じた記憶があります。半世紀ぶりに聞く観光というサービス産業に伴う「公害」は自然破壊に留まらず、生活環境の侵害という住民の日常生活を脅かす新たな害です。やはり、成長の一方でなんらかの問題が発生すること、そしてあらためて「観光産業」の難しさを実感します。