ヨサヲさま
田植え、稲刈り、フルーツ狩りではない、非非非日常で大成功、おめでとうございます!私はイベントが、「ファミリー以外でも参加できる」のも勝因だと思います。特にフルーツ狩りなどは、やっぱりファミリーの思い出づくり的な要素が強い。でも世の中、単身者だって、こどもがいないカップルだって、非日常を楽しみたいものです。ちょっと大人っぽいイベント設定、あるようでないんです。これからも、「オトナ楽しい」イベントをどんどん企画してください。
大江山ナイトハイクは心ひかれます。福知山に赴任中、秋が深まると、まだ暗いうちから同僚と大江山に登ったものです。目的はもちろん、雲海!海原に丹後の山々がまるで島のように点在している幻想的な風景は一生忘れないでしょう。今秋は、記憶の上書きに出掛けなきゃ!
京都市内はすっかり「アートの秋」です。
「いい展覧会はオリンピックイヤーの来年に集中、ことしは今ひとつか‥」と思いきや、今月初旬にICOM(国際博物館会議)の京都大会があり、138カ国から3500人の博物館や美術館の専門家が京都に滞在しているためか、あちこちで良質なイベントが目白押し。
なかでもオススメは京都国立博物館(東山区)の「京博寄託の名宝」展です(16日まで)。入館料はほぼワンコインの520円。ですが、重要文化財59点、国宝36点が出ています。
「風神雷神図屏風」や「伝源頼朝像」など、教科書で見た名品がずらりです。与謝野町比丘尼城出土の銅鐸や、与謝蕪村の「夜色楼台図」など与謝野ゆかりの出品もありましたよ。
ひと目みたら忘れられない「宝誌和尚立像」も人だかりでした。僧の顔が真ん中から割れて、中から観音がのぞく衝撃のフォルム。人間の腹を破って出てくるエイリアンもビックリです。
この仏像は下京区の西往寺の寄託品です。もちろん、京博ともなれば、寄託する側の寺院も小規模ばかりではありません。建仁寺、大徳寺、妙心寺など本山級の有名寺院も預けまくっています。預けてもまだまだお宝はあるでしょう。でも西往寺はまちなかの小さなお寺。もしかしたら唯一無二の逸品を、重文指定を機に寄託したのかもしれません。
私は仏像が好きで、お寺巡りとともに、各地で開かれる資料館の仏像展によく出掛けるのですが、いつも少し心が痛くなります。地方の小さな寺院が宝を守りきれず寄託している例が多いように思います。ライトの下におられる仏様も寂しそう。長年、里のお寺で人々を見守ってこられたのでしょうから‥。
散逸したり、劣化するより安心だけど‥。ふるさとを離れて寄託展に並ぶ品々に、ちょっとしんみりした秋の日でした。
ミヤコ様
早いもので、9月になりました。何となく肌寒い日もあります。ここ与謝野は、これから稲刈り本番。黄金色に輝く田畑が今見ごろです。
今年の夏は、ホップ体験、先日の大江山ナイトハイクといった、与謝野初物イベントの準備と運営に追われました。それぞれ初物だけに、企画段階から侃々諤々のミーティングや天候とのにらめっこが続き、「大丈夫?」「大丈夫?」の連続。前日には、「これでほんとに大丈夫?」のダイジョブクライマックス状態。やるだけやった、なるようになると腹をくくり、当日となりました。
結果、上のような心配は嘘のように、ホップ体験もナイトハイクも大盛況。お客さまも、ティーンからシニアまで。男女比もほぼイーブン。参加者はホップ体験約50名、ナイトハイク約20名。しかも遥々東京・神奈川・愛知・富山などの遠方や関西も京都市・大阪市・神戸市といった都市部から参加して頂きました。何よりお客さまの満足度。書簡にも記しましたが、「プライスレス」体験だと。思わぬ事実に、関わったスタッフもびっくり、「ひえーこんな体験にきてくれるんだ!」とうれしさより驚きの連続でした。
ここ2年、いろんな体験商品を造成しましたが、実はこの2つの商品のお客さま満足度の手ごたえ感が一番。告知後の食いつきも早い。お客さまサイドで迷ってない。 どちらかというと「こんな体験待ってました!に近い。こちらサイドの 「大丈夫?大丈夫?」の心配をよそに「待ってました!」はなんとも不思議なギャップです。
この体験を通じ、あらためて、田舎の魅力を考え直す機会となりました。今はもう、田舎の姿を単にそのまま伝えるだけでは物足りないのですね。みなさん、田植えや稲刈り、フルーツ狩りなんかとっくに体験済みで驚かない。もっともっと非日常的な体験じゃないと興味関心も示さない。
お客さまが求めているのは「非非非日常」。多少のらんぼうさや危険(このあたりは絶妙な落とし込みが必要ですが)をアドベンチャー体験の一貫として消化してくれているようです。もちろん、安全面、衛生面については必要不可欠ですが、見えすぎてはいけない。「安全」「衛生」の見えないセーフティーネット上で展開される「非日常」を探されている気がします。
今後は、ホップ×稲とかトレイル×稲とか稲×ドローンとか、いわゆる大きなフィールドで様々な体験ができるような商品造りが必要かと。それには、各関係者を横断的に組織してチ―ム化するという難題もありますが、そこは町挙げての誘客プロジェクトの大目標で共通認識を持つしかない。
つらつら記しましたが、そんな令和の夏でした。
おっと、すっかりミヤコさんの「文化」「東京」に答えられていない。この件は次回に。