2018.08.21
秋ともなると、4月に新しい仕事に就いたり入学をしたりなどの環境の変化から半年が過ぎ、ふと自分の立ち位置を見る人が多いのではないでしょうか?この季節は暑い夏を経て物思いに更けがちな季節です。人によっては挫折を味わったり、何かと感傷的になります。でもやがて冬を迎えるとまた春がやってきます。来年5月1日には元号も平成から変わることで、日本全体の様々な雰囲気が一新されることでしょう。
いま20代を中心に圧倒的な支持を集めているシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづげんし)さんが2016年に発表した楽曲「LOSER」。この曲が自動車のCMに起用されたり、今年1月には「Lemon」という曲がドラマの主題歌になったりと、どこかで彼の名前を目にした方がいるかもしれません。「LOSER」という曲は25歳で“アイムアルーザー”、つまり負け犬になった敗北感を味わった主人公が、それでも“また明日、踊りだす”ことで過去に“さよなら”を告げて前に進むことを歌っています。最近のJ-POPは1980年代頃に比べて歌詞の文字数が飛躍的に多くなり、ともすると意味よりメロディに合わせた語感で歌われる傾向が出てきていますが、米津さんの歌詞は改めて文字で読むと痛いほどの切ないメッセージが込められています。“聞こえているのなら”、“声を出していこう”。SNSやインターネットでは伝えられない気持ちは、しっかり口に出すことで相手に届く。つい日常で忘れがちなことですが、27歳の米津さんに教わった気がします。