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ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
若者の「モラトリアム」、支えたい 令和2年10月13日

 地域づくりを学び、自分のふるさとや縮小するニッポンの地方都市の在り方を考えたい。全国から福知山公立大を選んだ学生には、そんな志を感じます。ここに住んで体感し、経験すべてをフィールドワークにして学べるのですから。大都市の総合大学で「地域再生」を座学するより、ずっと貴重です。前例や「当たり前」に縛られず、理想や夢を手放さず、柔らかなココロで未来をデザインしてほしいですね!
 立教新座高校の校長先生のお話、ヨサヲさんから伺い、私も心に残っています。
 私も大学生と触れ合うことが多いのですが、「これを伝えたい!」と1回入魂で授業を用意して出席を願うものの、いざ若者を前にすると「教室なんかにいないで、外に飛び出してええんよ!」とけしかけています。
 私の気に入っているYouTubeの映像に、当時91歳の小説家・瀬戸内寂聴さんがSEALDsの集会で大勢の若者に向かって演説する6年前の記録があります。そこで彼女は「若者とは恋と革命よ!」と語るのです。曰く「恋をして人を知り、深くなる。理想を掲げて社会を変える。それが若者の特権なの」。そして、「親の言うことなんて聞かず、好きなことやりなさい。みなさんは幸せになるために生まれてきた。そして、隣の人も幸せに」とも励まします。私は毎年、学生と一緒にこの映像を見るのですが、みんな聞き入り、そして、晴れやかに教室を出ていきます。その姿に、エールを送らずにはおれません。

 学生をめぐる環境は、コロナ禍で一変しました。
 後期からは対面とリモートのハイブリッド型で授業を再開し、構内の消毒用アルコール設置や三密を避けた座席指定はもちろん、階段も一方通行にする(写真)念の入れようなのですが、久しぶりに会って無邪気に華やぐ笑顔の一方で、苦しんでいる若者も少なからずいるようです。
 立命館大学新聞が夏に実施した調査で、1400人以上の有効回答のうち、2・3%が退学を本格検討、9・8%が視野にいれ、休学に至っては25%以上が考えている、と答えています。
 近年、国公私立を問わず学費は高騰し、逆に仕送り額は減少の一途で、学生は貧困化しているといわれます。実に全体の49%の学生が何らかの奨学金を受けていますが、日本ではその7割以上が利子のある貸付型。卒業時には300万円前後の借金を背負って、社会人生活をスタートさせねばなりません。
 もちろん遠隔授業にもじっくり学べる利点があります。しかし、苦労して大学生活を送っているのに、リアルな授業や課外活動もない、図書館など施設も使えない。 「いっそ辞めようか」と思うのも無理はありません。

 大学の4年間は、ある意味モラトリアム。人生において本当に貴重な時間です。彼ら自身には責任のない経済的な事情で断念するとしたら本当に残念です。
 与謝野町はコロナ禍でふるさと学生を支援されましたね。ぜひ息長く学生に寄り添ってあげてくださいね。
 多くの大学が点在する京都市も動きは鈍い感じ。こんな時こそ厚く細やかな学生支援を練らないと、「大学都市」の看板を下ろさねばならないでしょうね。

ミヤコ
がんばれ!福知山公立大! 令和2年10月13日

ミヤコさん

 出町枡形商店街、すっかりご無沙汰してます。出町ふたばの「豆餅」も、チョーご無沙汰です。学生の頃はあの界隈うろうろしてました。ミヤコさんのお話を聞いて、日本全国の商店街が活気を無くしている中、今を元気な商店街であることがとてもうれしいです!
 オマーさんのインスタレーションの感性、いいなあ。コロナをぶっ飛ばしていますね。オマーさんのような方が、ちりめん街道や伊根の舟屋群をアートにしたら絶対面白いでしょうに。古い町並みを現代アートした姿見てみたい。

 はや10月となりました。2020もあと3か月。コロナコロナで騒いでいるうちに確実に時間だけは過ぎていきます。めっきり涼しくもなりました。Tシャツ姿じゃちょっと寒い。大学も後期から徐々に対面授業が始まり、キャンパスも少しづつ本来の活気を取り戻してきたようです。実は昨日、定期的に観光マーケティングのお話をしている福知山公立大に行ってきました。4月から何度目かの学生の皆さんとの対話ですが、初めて教室でリアルにお話ししました。いやー、ZOOMトークとは全然違う。反応も活気も。臨場感、大事です!とても楽しかったし、うれしかったです。

 福知山公立大は北近畿唯一の大学。成美大学を前身とするものの2016年開学の新設校。学部は地域経営学部と情報学部の2学部だけですが、地域経営学部を持つ大学は全国約800校の大学の中で2校だけ。学生数は約500名と小規模ながらも9割の学生が日本全国から集まっている、日本の大学にあってはユニークな存在。全国から一人でこの地に来て、この地に暮らす自立心旺盛な若者たちで溢れる大学です。

 世はデジタルとグローバル、そして地域がトレンド。日本企業の多くが、この流れに対応できず、あくせくしている現状。伝統という古い価値観、平均化という古いシステムを壊しきれずにいることが要因と思われますが。さらに追い打ちをかけたのが、このコロナ。いよいよ日本企業の正念場となります。

 そんな世の中の動きの中で、この福知山公立大に期待したい、応援したいと思っています。
 伝統なし、群れることなし。大学の授業で地域社会と関わり、自分で考え、もがき苦しみ、一人で生活するたくましい学生たち。既存の概念、ルール、システムを打ち破り、新しい価値を生み出す若者とは、こういう人たちではないかと彼らに接しているとひしひし感じます。
 今日、久しぶりに学生の皆さんとじかに接して、あらためて感じました。
そんな彼らに送った言葉は「大学は立ち止まる自由(海を見る自由)を得るところ」。2011年、あの未曽有の大震災で卒業式の中止を余儀なくされた、当時の立教新座高校の渡辺校長が卒業生に送った言葉です。あの時の状況と今の状況がオーバーラップします。
 のびのびと、しぶとく、たくましく。福公大生、がんばれ!

ヨサヲ
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