ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
着物が似合う場所 平成30年11月10日
ミヤコさま

 先日はありがとうございました。久しぶりにお会いでき、心躍る時間でした。
 いつもと変わらないチャーミングさに加え、着物姿のミヤコさんは艶やかで素敵でした。着物姿、とてもお似合いです。
 当日は、多くの皆さんに来町して頂けました。
 ちりめん街道のこのイベントは、まさにちりめんの町・与謝野が、皆様に和装体験や正絹、丹後ちりめんの魅力を知って頂きたいという思いからスタートしました。おかげさまで今年は晴天に恵まれ、1500名を超える着物ファンの皆様方にご参加頂き、大変盛り上がりました。
 着物姿で散策される皆様を見るに、普段とは違う非日常の光景が広がります。一方、街並みが古いだけに、何かその風景にマッチするように見え、時代錯誤に陥ったりもします。街並みとの調和ですかね。たしかに、京都市を着物姿で散策しても近代化した建物、乱立する商業施設、非日常の世界遺産建築物などでは、着物姿との風景のリアル感がないかもしれません。与謝野町だからのリアリティ、大切にしたいです。
 このようなイベントが町外の方から評価を頂き、町民の自信や誇りとなって町の活性化につながればと思っています。
 ミヤコさん、ぜひ来年も来てくださいね。おっと、その前に3月にはちりめん街道で雛巡りがあります。こちらもお誘いしなくっちゃ。
 そうそう、とても気になるミヤコさんの言葉。
 「与謝野入り」の醍醐味、丹波から福知山を経て、国道176号線を北へ。大江山を右手に与謝峠を超えると、加悦大橋から眼下に加悦谷の集落。「京の都」を出発し、海を表玄関とする異なった文化と価値観を誇る「丹後王国」に踏み入ったことを実感する瞬間。 この視点は、ここに住む私には、いつもの当たり前の風景であり気にも留めていなかったことです。こうした都市で生活する方だから感じるリアリティ、すごく興味深く、あらためて勉強になります。

ミヤコさん、どうもお疲れ様でした!
ヨサヲ
秋晴れの与謝野で、本物をまとう。 平成30年11月01日

ヨサヲさま

素晴らしい体験でした!
 秋の1日、ヨサヲさんの誘いで久しぶりに与謝野を訪れ、そして、丹後ちりめんのきものを着せていただきました。職人の誇りとこころが込められた鴇色のきものに袖を通した途端、背筋が伸び、なんとも「上質、上等な気持ち」になりました。ああ、これが本物の力ですね。

 その前日、私は京都市内から車で与謝野に向かいました。
 所要時間を考えれば、高速道路を最寄りの「与謝天橋立」まで一気に行くのが最短です。しかし、それでは「与謝野入り」の醍醐味は味わえません。私は丹波から福知山を経て、国道176号線を北へと向かいました。大江山を右手に与謝峠を超えると、加悦大橋から眼下に加悦谷の集落が広がっていました。「京の都」を出発し、海を表玄関とする異なった文化と価値観を誇る「丹後王国」に踏み入ったことを実感する瞬間です。

 イベント「きものでぶらり ちりめん街道」では、たくさんの方々がきもので界わいを散策されていましたね。
 もちろん京都市内でも、外国人を含む観光客の方々が和装で街を歩いています。しかし、ふたつの点で、ちりめん街道とは異なっています。
 ひとつは「質、素材」。いま、京都市内の繁華街にあふれるきものは、薄い化繊がほとんど。和装の裾野を広げるというメリットの一方で、派手な模様が着崩れた姿はいかにも安っぽい。一方、与謝野のきもの体験で着せていただくのは、正絹。優雅な光沢、風合い、快適な着心地。これは一度まとわなければ体感できない特別感があります。
 そして「背景」。世界遺産が点在する京都市ですが、遺産自体は「点」でしかなく、古い町並みも意外に少ない。対して、ちりめん街道はしっとりとした町並みが続き、どこを切り取っても「きもののまち」です。みなさんが撮られた写真、ハッシュタグ付きで世界に発信して欲しいですね!
 もうひとつ、ありました。それは「人の中に息づく文化」です。
 イベントでは、着付師の地元女性たちがフル稼働で大活躍でした。その中に元織り手で、自分が織ったちりめんの着物をお召しの方がおられたのです!街道の歴史や物語を、その方自身が体現されていると感じました。

 今回の与謝野行きで、ふるさとへの愛情にあふれる多くの方と出会いました。
 体験は忘れ難く、いまは与謝野に「逆ホームシック」状態です‥。

ミヤコ