ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
変わるもの、変わらないもの 令和元年11月13日

ミヤコ様

 ハロウィン、今年も盛り上がっていましたね。渋谷の風景を見るたびに、驚きます。まるで香港の騒動の様。片や命がけで戦っているのに対し、ノー天気などんちゃん騒ぎ。否定することはないけど、あらためて日本は平和だなあと感じます。
 さらには、天皇陛下即位の礼に続く、11月10日の天皇皇后両陛下のパレード。雲一つない快晴に恵まれた東京御所周辺には約12万人が集まり、何一つトラブルなく行われた国の祝賀行事。沿道には日の丸がはためき、ラグビー同様国家ワンチーム、でした。んんん、やっぱり平和です。

 季節は、はや11月。令和元年もあと50日余りとなりました。今年は、新年号から始まり、ラグビーW杯、そして天皇皇后両陛下パレードと日本中が盛り上がりました。そしていよいよ来年は東京オリンピック・パラリンピックが続きます。マラソン開催地が札幌に変更されるなどまだまだ課題はありそうですが。この際、日本オリンピック・パラリンピックでいいんじゃないかと思います。
 実は、こちら丹後も来年は「丹後ちりめん創業300年」を迎えます。今まさに、この節目の年をどう迎えるか、国がオリンピックイヤーをPRデザインしているように、この丹後では300年イヤーPRの検討が日々なされています。

 とてもくだらない話ですが、この300年という時間に、どれだけの「丹後ちりめん」が作り出され、どれくらいの人がここで織られた着物を着たのだろうかと考えています。ブランドって、こうしたとんでもない数のエビデンスの上に築かれていくものだろうな、と。300年という時間の流れの中にあって、「残っている」という事実は、様々な変化があったにも関わらず、変わらなかった証のようなものですね。
 シーラさんが「300年の間にアイディアフルないろんなデザインの着物が作られ、消費されては消えての繰り返しの中にあっても、着物のこのスクエアな規格が全く変化しなかったことが、着物の不思議さ・面白さ」とおっしゃっていましたが、考えてみればその通りで。

 変わり続けるものの中に、変わらないものがあることの重要性。
 「丹後ちりめん」も可能性を信じたいです。

ヨサヲ
本家本元もビックリ、文化は異国で花開く 令和元年11月13日

ヨサヲさま

 京都市内でも少し北に、そして山手に行くと、緑のもみじの先っぽが暖色に染まり始めています。普段も騒がしい市内ですが、11月の三連休でいよいよトップシーズンが幕を開けた感じです。
 天橋立の丹後きものまつり、盛況おめでとうございます!
 注目はもちろん、シーラさんですね。
 シーラさんは着こなしとともに、あの銀色の髪もすてきです。カラフルなきものに映えて、とてもファッショナブル。最近は日本人女性も、髪染めせずにグレイヘアで明るい色を着こなすカッコいい女性が増えました。自分の個性を愛しておしゃれを楽しむシーラさんの姿勢や哲学は、そんな女性たちにも勇気を与えるはずです。あやかりたい!

 外国からもたらされた多様性やグローバルシーンといえば、イベント類もそうですね。
 クリスマスにバレンタイン、そして、近年では何といってもハロウィンです。いずれも、起源である大切な宗教的な意味合いは脇に置いて、日本で独自のアレンジを加えて、定着しました。
 ハロウィンが定着したのは、家族やカップルで過ごすことの多い他のイベントとは違い、「仲間とワイワイ楽しめるから」だそうですね。私はこの「仲間とワイワイ」が苦手で、正直、ハロウィンが嫌いでした。ところが今年、あるハロウィン・イベントに関わり、ちょっと考えが変わりました。
 それは地元商店街の「かぼちゃカービング」でのボランティア。京都・北山の商店街では毎年、亀岡から大量のかぼちゃを仕入れて、来場者にカービングを楽しんでもらっています。50キロ以上ある「オバケかぼちゃ」から、手のひらサイズまで。底を落として、スプーンで内側をきれいにし、眼や鼻をくり抜けば・・・秋の丹波の豊かな実りがケルトの魔物「ジャック・オー・ランタン」に大変身です。
 刃物も使うし、力も要るしで大変なのですが、親子を中心に大盛況でした。出来不出来なんて関係なし。みなさんかぼちゃまみれになって作業に熱中し、完成したランタンを満足そうに持ち帰っていました。力を合わせてカービングした経験も、夜、玄関で怪しく光っていたランタンの光景も、きっと家族の大切な思い出になるはず。なんだか私まで「ハロウィン、いいな」と、温かい気持ちになりました。

 海外から来たイベントは、日本文化への定着まで紆余曲折。楽しんでいる人がいる一方、大量動員された警察官vs.ガス抜き的などんちゃん騒ぎで、ことしも逮捕者が出ました。でもきっと、そんな時期を経て、みんなが上手に楽しむようになるのでしょう。
 ラグビーしかり。シーラさんの着こなしもしかり。やがて、本家本物も驚くほどの進化を遂げます。そして、相互にリスペクトし合う。これぞ、文化の醍醐味、真の国際交流ですね。

ミヤコ