ヨサヲとミヤコの往復書簡 京都に憧れる与謝野のヨサヲ。与謝野に憧れる京都のミヤコ。往復する2つの想いは、ただの雑感? それとも…。
「連携」と「上手な境界線」で個性守りたい。 平成30年12月12日
ヨサヲさま

  国立京都近代美術館で開かれている「藤田嗣治展」(〜16日)に行ってきました。没後50年の大回顧展で、乳白色の女性像から太平洋戦争時の問題作まで、大好きな猫の絵もあって、ミュージアムショップでのお買い物も大満足でした。
  高速道や特急が完備されたことで、いい面もたくさんあります。都市部は確かに、展覧会やイベントは多い。交通の便がよくなったため、与謝野で暮らしていても気軽に出かけて楽しめます。
  先日の「きものでぶらり」の時、髪のセットを担当してくださった若い美容師さん(すてきな方でした!!)は東京出身で「結婚を機に、移住しました」と話されていました。初めての与謝野での暮らし。山を越えてやって来た「桃源郷」でのこれからに、内心はちょっぴり不安も感じておられると思います。しかし、心配はありません。半日の休みがあれば、いや思い立ったら、京阪神に気晴らしに行けばいいのです。
  Iターン、Uターンされる方は、地方暮らしへの憧れがあるとはいえ、慣れた都市部とのつながりも断ちたくないはず。与謝野はこの点も大いにアピールできますね。

  さて、「越える山がある」おかげで、地域の個性が守られることもある、と最近つくづく思うんです。「単調な地続き」だと、色が混じり合ってしまうと。   たとえば京都と大阪。
  「天下分け目の天王山」があるものの、電車での移動はトンネルもなく、通勤や通学でひんぱんに往来して地続き感があります。
  そして、京都は近年、上方のよしもとパワーが席巻している気がします。
  もちろん私も関西人ですから、土曜の昼間に放映されている新喜劇を見て育ちました。近所には京都花月劇場もありました。この劇場は1980年代に閉鎖されたものの、2011年には祇園花月もオープンして、京都とよしもとの馴染みは深い。
  祇園花月は観光客に人気だし、数年前には「京都国際映画祭」によしもとが参画し、財政面でも動員面でも寄与しています。いくよ・くるよ師匠は京都出身でもあり、秋の映画祭シーズンにはまちのポスターに「どやさ〜」が躍ります。
  けれど、私はいまひとつ釈然としません。地域のカラーは違う方がいいからです。
  2025年に大阪万博開催が決まりました。大阪府知事によると「誘致に大風呂敷を広げたため、周辺府県も協力を」だそうです。個性の強い大阪の浸食パワーはますます強まりそう。ちょっとため息。
  地域の連携は、個性の強い方、メジャーな方に引きずられることなく、持ち味を尊重しあえる関係がいいな、と思いませんか?
ミヤコ
もはや、京都市と京都府の連携しかない! 平成30年12月12日
ミヤコ様

  京都市の失敗例(?)、ここ何度か仕事に行くたびに実感します。
  もうはるか昔のことですが、私の大学時代の京都はこうではなかった。京都は、あの頃から「観光都市京都」でしたし、観光シーズンになれば市内の名所旧跡は混雑してました。が、その混み具合がなんというか快適とは言わないまでも、有名なところを訪れる仕方のない状況、だったように思います。観光ハイシーズンで京都が込み合うのは、町が人で溢れ刺激的でした。「適度な混み加減」だったと思います。
  適度の視点からだと、京都はもうパニック状態。温泉での烏の行水状態といったところでしょうか。

  最近は、天橋立や伊根で、混雑によるパニック状態が見受けられるようになりました。
  観光客も、いろんな情報を得て効率的な旅を分かってきたのか、京都からの日帰りが増加しています。天橋立からの京都行18時05分の特急は、毎日お盆や年末年始の混雑状態。しかも9割が訪日客。異常な光景です。
  観光客誘致の成果とも言えますが、どんどん観光客も賢くなって旅上手になり、「お金を無駄に使わない旅行」にシフトしてきてる感じがします。観光客数増加に比べ、消費増加額が圧倒的に少ない状況はこれから大きな課題となるはずです。困ったもんだ。

  年間3000万の来場者数の東京ディズニーランドは、95%のリピーター客です。もちろん海外からの一元のお客様も年々増えているでしょうが、それでも集客のベースは、日本人のリピーター客。混雑を緩和するために、いろんな策も練られていると思われますし、何よりエリア拡大という大型施策が打たれています。我々が学ぶことが多いエンタテイメント施設です。

  京都市には、観光エリア拡大ということはできません。やはり混雑緩和の施策としては、京都市から京都府というエリア拡大の手しかないような気がします。いつまでも京都市と京都府の分断状態が続くようであれば、どちらも共倒れになることが容易に分かります。

  イタリアは、ローマ・フィレンツェ・ミラノと世界的な観光都市が点在しますが、イタリア全土ゆっくり旅するとなにげない小さな町にもすばらしい魅力がありますし、移動道中の風景も楽しめます。京都府が、イタリア旅行的になれば、南北を「上道」で行くこともなく、歴史や文化そして食を楽しめることができるはずです。ミヤコさんのおっしゃる通りです。
  京都市と京都府、もっと相互な連携連帯が望まれますね。
ヨサヲ